2007年4月 - 2009年3月
哲学的「実在」概念の再検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
2008年度は、以下の三つの研究主題に取り組むことを通して、上記の研究課題の遂行と完成を目指した。1.哲学的懐疑論と自然主義的認識論における可謬主義の相違点の明確化。2.超越論的論証を用いた反懐疑論の一般構造の解明と、それを通した「実在」(および「存在」)概念の再検討。3.(特に日本国内の)初中教育において哲学教育を導入する可能性に関する調査・研究。
1は、2007年度から引き続き取り組んできた研究主題である。2007年度の研究において、哲学的懐疑論と自然主義的認識論における可謬主義との間には、「疑い」に対する二つの根本的に異なる捉え方が存在することが明らかになった。2008年度は、以上の論点を中心として、論文「懐疑論の自然化とその帰結」を発表した。
2については、超越論的論証を用いた反懐疑論に対するバリー・ストラウドの古典的反論を取り上げ、近年の英米哲学における超越論的論証研究と分析的カント研究の成果を踏まえた上で、ストラウドの反論の妥当性を批判的に検証した。なお、ストラウドの反論の骨子は、超越論的論証は「実在」に到達する力を欠いているので反懐疑論として無効である、というものであるため、以上の研究の遂行は、哲学的「実在」(および「存在」)概念の現代英米哲学の観点からの再検討に直結していた。
3については、東京都内の公立中学校で哲学教育に関する先駆的な取り組みが開始されたことを受けて、日本国内の初中教育における哲学教育の実態調査、ゲストティーチャー等のアウトリーチ活動、海外における初中教育での哲学教育の導入事例の調査などを行った。以上の研究内容については、日本哲学会第68回大会での口頭発表、日本倫理学会第60回大会でのワークショップ発表を行うことが決定している。
1は、2007年度から引き続き取り組んできた研究主題である。2007年度の研究において、哲学的懐疑論と自然主義的認識論における可謬主義との間には、「疑い」に対する二つの根本的に異なる捉え方が存在することが明らかになった。2008年度は、以上の論点を中心として、論文「懐疑論の自然化とその帰結」を発表した。
2については、超越論的論証を用いた反懐疑論に対するバリー・ストラウドの古典的反論を取り上げ、近年の英米哲学における超越論的論証研究と分析的カント研究の成果を踏まえた上で、ストラウドの反論の妥当性を批判的に検証した。なお、ストラウドの反論の骨子は、超越論的論証は「実在」に到達する力を欠いているので反懐疑論として無効である、というものであるため、以上の研究の遂行は、哲学的「実在」(および「存在」)概念の現代英米哲学の観点からの再検討に直結していた。
3については、東京都内の公立中学校で哲学教育に関する先駆的な取り組みが開始されたことを受けて、日本国内の初中教育における哲学教育の実態調査、ゲストティーチャー等のアウトリーチ活動、海外における初中教育での哲学教育の導入事例の調査などを行った。以上の研究内容については、日本哲学会第68回大会での口頭発表、日本倫理学会第60回大会でのワークショップ発表を行うことが決定している。
- ID情報
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- 課題番号 : 07J02871
- 体系的課題番号 : JP07J02871
この研究課題の成果一覧
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論文
4-
哲学の探求 35 105-130 2008年5月
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千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書(哲学的自然主義の諸相) 145 47-62 2008年3月
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知識構造科学の創造へ向けての基礎研究 169-195 2008年3月
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千葉大学人文社会科学研究 15(15) 20-31 2007年9月
講演・口頭発表等
2-
知識構造科学の創造へ向けての基礎研究最終研究発表会 2007年12月
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哲学若手研究者フォーラム 2007年度大会 2007年7月