共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

感情の媒介的機能に定位した,よき共同的な生の構想

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02259
体系的課題番号
JP17H02259
配分額
(総額)
18,590,000円
(直接経費)
14,300,000円
(間接経費)
4,290,000円

本研究は、現代社会において人がいかに共同体を形成し、よき共同的な生を実現しうるかについて、哲学的な構想を示すことを目的とする。諸個人が表出する感情の果たす媒介的な役割に着目することによって、望ましい共同体のあり方を解明し、あわせて感情と共同体の形成に関する日本固有の事情を析出し、国際的な観点から検討する。それゆえ本研究は、(A)感情の本性を哲学や心理学の観点から規定し、(B)各人のよき生の基盤となる共同体の構想を感情の切り口から解明したうえで、(C)これら二点の知見を国際的な比較研究によって検証するものである。
2年目となる平成30年度は、資料収集や研究の基盤形成につとめつつ、学会等でのシンポジウムなどを通して研究成果の発信を図った。とりわけ、東北哲学会でのシンポジウム「日本哲学における感情と思考」では3名の研究代表・分担者が登壇し、「翻訳における西田幾多郎の感情と思考」、「田辺元に探る感情の問題 ― 芸術と理性の内的葛藤」、「三木清におけるロゴスとパトス」という三つの観点から、日本哲学における感情の問題圏を検討した。
さらに、Alessandro Salice 氏を迎えた講演会「Envy and Us」や、Adrian W. MOORE 氏を迎えた「Workshop: Philosophy of Death and Meaning」など、国際共同研究も進められた。日本心理学会でのシンポジウム「感情をめぐる二つのアプローチ:哲学と心理学」にも研究分担者が関与し、感情をめぐる哲学と心理学との共同研究の端緒を付けたところである。
次年度以降、よき生を可能とする感情と共同性をめぐって、日本心理学会でのシンポジウムや国際ワークショップなどを含め、さまざまな機会で研究成果を発信する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02259
ID情報
  • 課題番号 : 17H02259
  • 体系的課題番号 : JP17H02259

この研究課題の成果一覧

論文

  4

書籍等出版物

  1
  • 加藤, 泰史, 小島, 毅 (担当:共著, 範囲:第5章 芸術表現による尊厳への加害--リーガル・モラリズムとリベラリズム)
    法政大学出版局 2020年3月30日 (ISBN: 9784588151071)

講演・口頭発表等

  4