2019年4月 - 2022年3月
乳がん患者に対する化学療法後のしびれ症状改善を目指すハンドセラピー技術の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
<具体的内容>
乳がん患者に用いられるタキサン系抗がん剤は化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)による手指のしびれを引き起こすため、しびれ改善に有効な対処方法が強く望まれている。我々は2018-2019年にかけて抗がん剤投与によりしびれを感じる乳がん患者を対象に、独自に考案したハンドセラピー施術をおこないアンケートを用いてしびれの改善効果を主観的に検討した(「人を対象とする研究等に関する倫理委員会」承認番号2569)。乳がん患者50名を対象にハンドセラピー施術前後のVAS評価の変化を観察したところ、しびれ度合いが軽度および中程度で有意に改善された。しかし、しびれの度合いが重度の患者では有意な変化は観察されなかった。以上のことから、タキサン系抗がん剤を使用し軽度から中程度のしびれを感じる患者に、ハンドセラピー施術はしびれ改善に有効であることが明らかになった。
<研究の意義、重要性>
乳がんに罹患する患者は、家庭において家事の中心者であることが多い。乳がんの治療で使用する抗がん剤により引き起こされるCIPN(手指のしびれ)により感覚が鈍り、火傷や包丁でけがをする可能性があるなど日常生活を営む上で困難が多い。加えて、いつまで続くのかわからない不安感や、治療後、寛解するか分からないストレスを抱えることで生活の質の低下を引き起こすことが考えられる。手指しびれの程度や出現時期は個人差がある。ハンドセラピー施術は症状が続くことでの不安や、しびれの症状を和らげる方法、さらに対話することで心を安定させる役割も担う。ハンドセラピー施術は補完代替法として確立する意義があり、患者のQOL改善が期待される重要な研究である。
乳がん患者に用いられるタキサン系抗がん剤は化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)による手指のしびれを引き起こすため、しびれ改善に有効な対処方法が強く望まれている。我々は2018-2019年にかけて抗がん剤投与によりしびれを感じる乳がん患者を対象に、独自に考案したハンドセラピー施術をおこないアンケートを用いてしびれの改善効果を主観的に検討した(「人を対象とする研究等に関する倫理委員会」承認番号2569)。乳がん患者50名を対象にハンドセラピー施術前後のVAS評価の変化を観察したところ、しびれ度合いが軽度および中程度で有意に改善された。しかし、しびれの度合いが重度の患者では有意な変化は観察されなかった。以上のことから、タキサン系抗がん剤を使用し軽度から中程度のしびれを感じる患者に、ハンドセラピー施術はしびれ改善に有効であることが明らかになった。
<研究の意義、重要性>
乳がんに罹患する患者は、家庭において家事の中心者であることが多い。乳がんの治療で使用する抗がん剤により引き起こされるCIPN(手指のしびれ)により感覚が鈍り、火傷や包丁でけがをする可能性があるなど日常生活を営む上で困難が多い。加えて、いつまで続くのかわからない不安感や、治療後、寛解するか分からないストレスを抱えることで生活の質の低下を引き起こすことが考えられる。手指しびれの程度や出現時期は個人差がある。ハンドセラピー施術は症状が続くことでの不安や、しびれの症状を和らげる方法、さらに対話することで心を安定させる役割も担う。ハンドセラピー施術は補完代替法として確立する意義があり、患者のQOL改善が期待される重要な研究である。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10886
- 体系的課題番号 : JP19K10886
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
2論文
2-
癌と化学療法 47(5) 783-788 2020年5月 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
10-
第31回 日本乳癌学会学術総会 2023年7月1日
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第25回日本アロマセラピー学会学術総会 2022年12月4日
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第53回日本臨床分子形態学会総会・学術集会 2021年10月22日 招待有り
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第59回日本癌治療学会学術集会 2021年10月21日
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第29回日本乳癌学会学術総会 2021年7月1日
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第6回日本がんサポーティブ学会学術集会 2021年5月29日
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第23回アロマセラピー学会学術総会 2020年12月5日
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第58回日本癌治療学会学術集会 2020年10月24日
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緩和・支持・心のケア合同学術大会2020 (第5回日本がんサポーティブケア学会学術集会・第33回日本サイコオンコロジー学会総会・第25回日本緩和医療学会学術大会) 2020年8月10日 招待有り
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第57回日本癌治療学会学術集会 2019年10月24日
社会貢献活動
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