共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

乳がん患者に対する化学療法後のしびれ症状改善を目指すハンドセラピー技術の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10886
体系的課題番号
JP19K10886
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

<具体的内容>
乳がん患者に用いられるタキサン系抗がん剤は化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)による手指のしびれを引き起こすため、しびれ改善に有効な対処方法が強く望まれている。我々は2018-2019年にかけて抗がん剤投与によりしびれを感じる乳がん患者を対象に、独自に考案したハンドセラピー施術をおこないアンケートを用いてしびれの改善効果を主観的に検討した(「人を対象とする研究等に関する倫理委員会」承認番号2569)。乳がん患者50名を対象にハンドセラピー施術前後のVAS評価の変化を観察したところ、しびれ度合いが軽度および中程度で有意に改善された。しかし、しびれの度合いが重度の患者では有意な変化は観察されなかった。以上のことから、タキサン系抗がん剤を使用し軽度から中程度のしびれを感じる患者に、ハンドセラピー施術はしびれ改善に有効であることが明らかになった。
<研究の意義、重要性>
乳がんに罹患する患者は、家庭において家事の中心者であることが多い。乳がんの治療で使用する抗がん剤により引き起こされるCIPN(手指のしびれ)により感覚が鈍り、火傷や包丁でけがをする可能性があるなど日常生活を営む上で困難が多い。加えて、いつまで続くのかわからない不安感や、治療後、寛解するか分からないストレスを抱えることで生活の質の低下を引き起こすことが考えられる。手指しびれの程度や出現時期は個人差がある。ハンドセラピー施術は症状が続くことでの不安や、しびれの症状を和らげる方法、さらに対話することで心を安定させる役割も担う。ハンドセラピー施術は補完代替法として確立する意義があり、患者のQOL改善が期待される重要な研究である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10886
ID情報
  • 課題番号 : 19K10886
  • 体系的課題番号 : JP19K10886

この研究課題の成果一覧

受賞

  2

論文

  2

講演・口頭発表等

  10

社会貢献活動

  3