講演・口頭発表等

国際会議

高濃度BCC合金の優れた力学特性の起源; 電子状態計算

10th International Conferece on Materials Structures and Micromechanics of Fracture (MSMF10)
  • 都留 智仁

開催年月日
2022年9月
記述言語
英語
会議種別
国・地域
チェコ

ハイエントロピー合金(HEA)は、化学的に複雑な結晶構造を持つ単相または多相合金である。特に体心立方(BCC)-HEAの中には、高強度と高伸度のバランスに優れたものや、特定の元素を含むBCC-HEAは特異なすべり痕を示す。本研究では、第一原理計算を用いて、BCC-HEAの転位の芯構造を調べた。等原子分率の3成分及び5成分のBCC-MEA及び-HEAをランダムに分布させたモデルを作成し、短距離秩序形成、局所的な格子歪み、および化学組成が力学特性に及ぼす影響を調べた。その結果、TiZrNbHfTaの平均二乗変位(MSAD)は非常に大きく、Burgersベクトルの6\%以上に相当することがわかった。このような極めて大きな格子歪みは、転位運動の摩擦応力が確実に増加するため、力学特性に強く影響すると考えられる。そこで、4族元素が塑性異方性に及ぼす影響を調べるために、純Nb, Nb83Zr17, Nb67Zr33, Nb50Zr50, Nb33Zr67の5種類の濃度の異なるNb-Zr合金を仮想的に作製し、その塑性異方性を調べた。上記の濃度の合金特性を持つ単一仮想元素を用い、Peierlsポテンシャル曲面により塑性異方性を検討した。その結果、Zr濃度が50at\%に達すると、最小エネルギー経路が大きく変化することが示された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5074674