2021年4月 - 2024年3月
認知バイアス総合アセスメント尺度に基づくヘルスプロモーションプログラムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
一般の人に幅広く見られる思考や判断の歪みである “認知バイアス” は、個人の身体的・精神的・社会的な健康状態にさまざまな形で悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、自らが示す認知バイアスの特徴を適切に理解し、それを制御する方法を身に着けることが望ましい。しかし、現在報告されている認知バイアスは100種類を超えており、有効性の高い制御方法を考案するためには、これらの多様な認知バイアスを集約的に捉える試みが必要になる。
なお、これまでの研究では、“認知バイアスは(多かれ少なかれ)誰にでも存在する”という点が過度に強調されていたが、人が示す認知バイアスの強さにはある程度の“個人差”が存在することが実証研究により明らかになっている。この、認知バイアスに見られる個人差は、特定の課題に対して発現される反応上の差異として捉えることが可能であり、一見異なって見える課題でも、個人がその性質を類似のものとして認識するならば、反応パターンにも一定の共通性が見られることが予想される。そのため、さまざまな課題に対するバイアス反応を一堂に集め、個々の課題内容を超えて同様の反応が現れる条件を特定していけば、人が示す多様な認知バイアスの特徴を集約的に捉えることが可能になる。
そこで本研究では、これまでに提案されてきた認知バイアスを個別に測定可能な項目を広範囲に含めることで、多様な認知バイアスを少数の因子に集約して測定できる “認知バイアス総合アセスメント尺度” を作成することを研究の目的とした。
当該年度においては、提案されている認知バイアスを幅広く収集し、尺度に含めるバイアスの種類を決定した。その上で、各認知バイアスの定義に基づいて尺度項目を作成し、心理学を専門とする立場から内容的妥当性を確認した。そして、大学生を対象とした予備調査を行い、項目内容のわかりやすさおよび一般化可能性について精査した。
なお、これまでの研究では、“認知バイアスは(多かれ少なかれ)誰にでも存在する”という点が過度に強調されていたが、人が示す認知バイアスの強さにはある程度の“個人差”が存在することが実証研究により明らかになっている。この、認知バイアスに見られる個人差は、特定の課題に対して発現される反応上の差異として捉えることが可能であり、一見異なって見える課題でも、個人がその性質を類似のものとして認識するならば、反応パターンにも一定の共通性が見られることが予想される。そのため、さまざまな課題に対するバイアス反応を一堂に集め、個々の課題内容を超えて同様の反応が現れる条件を特定していけば、人が示す多様な認知バイアスの特徴を集約的に捉えることが可能になる。
そこで本研究では、これまでに提案されてきた認知バイアスを個別に測定可能な項目を広範囲に含めることで、多様な認知バイアスを少数の因子に集約して測定できる “認知バイアス総合アセスメント尺度” を作成することを研究の目的とした。
当該年度においては、提案されている認知バイアスを幅広く収集し、尺度に含めるバイアスの種類を決定した。その上で、各認知バイアスの定義に基づいて尺度項目を作成し、心理学を専門とする立場から内容的妥当性を確認した。そして、大学生を対象とした予備調査を行い、項目内容のわかりやすさおよび一般化可能性について精査した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K02986
- 体系的課題番号 : JP21K02986