論文

2017年11月

HCMに付随して突如発生する重度MRの診断に難渋し、緊急僧帽弁置換術を施行して救命し得た1例

心臓
  • 鈴木 智之
  • ,
  • 桜井 美恵
  • ,
  • 畑 正樹
  • ,
  • 宗久 佳子
  • ,
  • 山谷 一広
  • ,
  • 増田 貴彦
  • ,
  • 寺尾 尚哉

49
11
開始ページ
1161
終了ページ
1166
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)日本心臓財団

70歳女性。心不全症状にて前医循環器科入院、肥大型心筋症を認めるも有意な弁膜症等なく、内分泌系の異常も疑われていたが、急激にショック状態となり、この時の心エコーでは重度僧帽弁閉鎖不全(MR)が認められた。当院搬送直後にはMRは少量であったが、心エコー中左室過収縮になるにつれ僧帽弁前尖・後尖の接合が全く得られなくなり、高度のMRが生じた。循環がもたず、同日PCPSを挿入しながら緊急手術を開始し、生体弁による僧帽弁置換術を行った。弁尖の異常は認めなかったが、異常乳頭筋が存在し、左室流出路の心筋とともにこの乳頭筋を切除した。術後経過は概ね良好であった。肥大型心筋症(HCM)に伴うMRは前尖の収縮期前方運動(SAM)によるものの報告がほとんどであり、本症例のような過収縮からの弁の牽引・接合不全による急性MR発症メカニズムは稀である。診断に難渋したが、異常乳頭筋を含む心筋切除および僧帽弁置換術(MVR)で救命し、良好な予後を得ることができた。(著者抄録)

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