2015年12月
【分子標的治療薬と放射線治療の併用】頭頸部扁平上皮癌に対するセツキシマブ併用の放射線治療経験
臨床放射線
- 巻
- 60
- 号
- 13
- 開始ページ
- 1681
- 終了ページ
- 1687
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 金原出版(株)
2013年2月〜2014年6月の8例(男7例、女1例、48〜85歳)を対象とした。セツキシマブは初回400mg/m2、2回目以降は放射線治療とともに週1回250mg/m2を投与した。放射線治療には三次元放射線治療計画を用い、病変部の総線量は70Gyを基本とした。セツキシマブ・放射線治療とも完遂できたのは6例であり、治療の1次効果は完全寛解(CR)が5例、部分寛解(PR)が3例であった。CRの5例中4例が再発なく生存し(観察期間21〜26ヵ月)、1例は治療後4ヵ月で肺転移を認めたが、観察期間29ヵ月で担癌生存中である。PRの3例のうち1例は原病死、1例は治療に関連する肺障害により死亡、1例は、17ヵ月間、担癌生存中である。有害事象はGrade 5の肺障害を1例、Grade 3の嚥下障害を5例に認めた。粘膜炎による疼痛に対し全例にオピオイド鎮痛薬の使用を要した。全例に皮膚障害を認めたが、治療完遂に影響を及ぼさなかった。
- ID情報
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- ISSN : 0009-9252
- 医中誌Web ID : 2016148903