共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

副甲状腺の自家蛍光を利用した探索システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K18306
体系的課題番号
JP20K18306
配分額
(総額)
2,730,000円
(直接経費)
2,100,000円
(間接経費)
630,000円

副甲状腺が近赤外線に励起され、自家蛍光を発する事象を研究している。初年度は、市販品である浜松ホトニクス社のpde-neoを用いて、副甲状腺の観察を行った。甲状腺手術時に副甲状腺を温存する必要があるが、その用途で使用した場合に有用であるかを検討した。
32例の甲状腺手術時に、近赤外線装置を持ちて、眼で見ただけの場合と、装置を用いた場合に分けて検討したところ、正常副甲状腺の98%程度に自家蛍光があることが判明し、自家蛍光が確認できない場合は、血液などが弊害となっていると考えられた。甲状腺手術の専門医が目視で副甲状腺と診断する精度と器械を用いて診断する精度は同等と考えられ、手術の経験が少ない術者にとっては診断目的に有用であると考えた。さらに、副甲状腺は摘出後に血流の豊富な組織に移植することで機能が回復することが分かっており、切除後の組織から副甲状腺を探索することが重要であるが、その場合は近赤外線装置による自家蛍光をガイドとすることで発見できる副甲状腺の数が増加した。装置を用いることによる副甲状腺診断と探索の精度を調査した結果を、Near-Infrared Fluorescence Imaging inthe Identification of Parathyroid Glands in Thyroidectomy. Laryngoscope. 2021 May;131(5):1188-1193. として、報告した。
次年度は、倫理審査委員会の承認を得た上で副甲状腺腺腫病変の一部を実験用に採取し、新潟大学理学部化学科と合同で蛍光分子の同定を目指し研究を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K18306
ID情報
  • 課題番号 : 20K18306
  • 体系的課題番号 : JP20K18306