MISC

2012年8月20日

マウス始原生殖細胞におけるDNAメチローム解析

Journal of Reproduction and Development
  • 小林久人
  • 櫻井隆順
  • 三浦史仁
  • 今井美咲
  • 望月研太郎
  • 柳澤永吉
  • 坂下陽彦
  • 若井拓哉
  • 鈴木穣
  • 伊藤隆司
  • 松居靖久
  • 河野友宏
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58
Suppl Japanese Issue
開始ページ
J102
終了ページ
j102
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本繁殖生物学会

【目的】DNAメチル化は哺乳類生殖細胞分化の過程でダイナミックに変化するエピゲノム修飾の一つであり、各配偶子におけるゲノムインプリント確立・外来性リピート配列の抑制などの重要な役割を担う。また、生殖細胞の最終形態である精子・卵子ではまったく異なるメチル化パターンを示す。しかし、そのようなメチル化の性差が生じる各領域のメチル化・脱メチル化のターゲティング機構は明らかにされていない。我々は雌雄始原生殖細胞の包括的なDNAメチル化マップ(DNAメチローム)を作製し、生殖細胞形成過程におけるDNAメチロームの性差を詳細にプロファイリングした。【方法】胎齢10.5-16.5日齢Oct4-GFPマウス胚からFACS法によるソーティングによりマウス始原生殖細胞を雌雄それぞれ2000-4000細胞回収した。微量サンプルからの調整が可能となるPost-Bisulfite Adaptor Tagging(PBAT)法により、DNAメチローム解析用のDNAライブラリーを作製し、HiSeq2000(Illumina)を用いて高速シークエンスを行った。【結果】解析した胎齢を通して雌雄生殖細胞間の全体的なCpGメチル化の性差がみられた。胎齢10.5日から13.5日にかけて、X染色体上のCpGアイランドならびにインプリント制御領域(ICR)のメチル化の消去とともにゲノムワイドな脱メチル化がみられる一方、CpG-richな一部のレトロトランスポゾンにおいて高度なメチル化が残っていることが明らかとなった。また、16.5日齢において父方ICRのメチル化の上昇がみられるが、母方ICRの一部も、雌雄始原生殖細胞間のメチル化差異領域として同定することができた。本発表では生殖細胞におけるDNAメチル化の性差についてより詳細に解説し、機能的性差との関わりについて議論する。

リンク情報
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201202293237872325
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005457688
ID情報
  • ISSN : 0916-8818
  • eISSN : 1348-4400
  • 医中誌Web ID : 2013031795
  • J-Global ID : 201202293237872325
  • CiNii Articles ID : 130005457688
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000347103782

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