基本情報

所属
公益財団法人結核予防会 結核研究所 抗酸菌部 主任研究員
北里大学 大村智記念研究所 教授 (客員教授)
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 准教授 (客員准教授)
学位
学士(理学)(1988年3月 筑波大学)
修士(医科学)(1990年3月 筑波大学)
博士(薬学)(1995年12月 名古屋市立大学)

J-GLOBAL ID
200901007266174163
researchmap会員ID
1000055211

外部リンク

  結核菌を始め抗酸菌の病原性(潜在性を含む)と感染伝播の研究を行っています。また、結核・非結核性抗酸菌症対策に資する研究として結核のワクチン(BCGを含む)、多剤耐性結核菌・非結核性抗酸菌症に有効な抗菌活性物質の探索も精力的に行っています。

  令和 4 年度 は、AMED 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 課題名:薬剤耐性結核および非結核性抗酸菌症治療薬開発を加速する支援技術の開発(研究開発代表者:瀧井猛将)の支援により、「In vitro 感染細胞を用いた抗結核薬スクリーニング法(SFA 法)標準作業手順書(SOP)」を作成し、(公財)結核予防会結核研究所ホームページ内の資料・勧告集のページ(https://jata.or.jp/materials/data/)にて公開しています。

  令和7年4月現在の研究状況ですが、SFA法の原理の基盤である「結核菌の生菌特異的なヒト肺線維芽細胞傷害活性」に関する研究成果がアメリカ微生物学会(ASM)の学会誌(mSphere)に掲載可となりました(2025年4月17日 accept)。

  この論文では、3株のヒト胚由来の正常2倍体の肺線維芽細胞株(nomal diploid embryonic lung fibroblast cell lines)と2系統の結核菌株(H37Rv:lineage 4, HN878: lineage 2)を使用して、菌感染により肺線維芽細胞から炎症性サイトカイン(IL-6,-8)とcaspase 1により活性型に変換されるIL-1βの産生が誘導されること、および、caspase-1とNLRP3の阻害剤によって生菌特異的な細胞死が阻害されることから、この細胞死がインフラマソームの活性化を介したパイロトーシスであることを証明しました。また、線維芽細胞も貪食細胞と同じように結核菌を貪食することを透過型の電子顕微鏡での観察像を示しています。さらに宿主細胞と宿主内の菌の遺伝子発現を網羅的に検証したDual-RNA Seq法の結果も収載しています。線維芽細胞内の菌では低酸素応答など休眠に関する遺伝子の発現が上昇しており、貪食細胞に取り込まれた菌の休眠現象と同様な状態になることが示されました。

  令和6年度は、令和4年度のAMED支援事業で見出された化合物について、AMED 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究課題名 Bottromycin A2、Luminamicinの非結核性抗酸菌症治療薬としての開発研究 (研究開発代表者:瀧井猛将)を実施しています。

  令和7年度からは、AMED新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 研究課題名 難治性抗酸菌症治療薬の候補の病態動物モデルにおける実証研究(研究開発代表者:瀧井猛将)を実施しています。

  天然物由来の化合物の活性として、紅花に含まれるN-(p-coumaroyl)serotoninの抗酸化活性による抗炎症作用(J Interferon Cytokine Res. 1998, J Biochem. 1999, Int Immunopharmacol. 2003,)の研究を行ってきました。また、チョロギ(Stachys sieboldi Miq)に含まれる糖や糖誘導体が多剤耐性結核菌に有効性を示すことも明らかにしています(Bioorg Med Chem Lett. 2007, 2009, 2011, 2013)。その中の一の特許化合物OCT313の類縁化合物であるジスルフィラム(嫌酒薬)に超多剤耐性結核菌に抗菌活性をもつことが明らかになり、ジスルフィラムのドラッグリポジショニングを提案しました(Antimicrob Agents Chemother. 2012)。

  令和7年4月現在の研究状況ですが、上記の糖誘導体の1つである2-acetamido-2-deoxy-β-D-glucopyranosyl N,N-dimethyldithio-carbamate (OCT313) (BMCL,2009) の標的をバイトに用いた抗菌化合物のスクリーニング系を構築し、特許出願を2025年2月28日に行いました。標的酵素は既存の抗菌薬の標的とは異なる新規の作用点であり、新たな抗菌薬の探索に使用可能です。

  活性をもつ天然物に関する研究として、喫煙助成にリュウマチ患者が多いことから、タバコの煙には揮発性成分や粒子状成分として数千種類の化学物質(タバコの葉の成分の酸化分解物を多く含む)が含まれています。粒子状成分から免疫作用を増強する物質を探索し、複数の化合物を単離、同定しました(Biol Pharm Bull. 2018)。抗原に対する免疫増強作用をもつことからアジュバント補助作用物質として出願しています。


論文

  89

MISC

  97

書籍等出版物

  7

講演・口頭発表等

  5

担当経験のある科目(授業)

  13

共同研究・競争的資金等の研究課題

  25

産業財産権

  4

社会貢献活動

  1