2009年
顎裂骨移植後の口腔前庭狭小に対して遊離歯肉移植併用の口腔前庭拡張術を行った経験
岡山歯学会雑誌
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- 巻
- 28
- 号
- 2
- 開始ページ
- 175
- 終了ページ
- 178
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 岡山歯学会
顎裂骨移植術後の瘢痕による口腔前庭狭小部に対して、口唇引きつりと歯周状態の改善を図る目的で2症例(症例1;18歳男性・症例2;31歳女性)に対して遊離歯肉移植を併用した口腔前庭拡張術を施行した。その結果、2症例とも骨格性の問題はなく、瘢痕拘縮による口腔前庭の狭小化と口唇の引きつり感がみられ、症例2では付着歯肉の消失による口腔衛生状態の悪化が認められた。口腔前庭拡張術では2例とも瘢痕部分が広く、術後創面が大きいことから口蓋からの遊離歯肉移植術を選択して施行、2症例とも口唇の引きつり感の改善を認め、移植した角化歯肉の生着は良好であり、症例2では付着歯肉が形成されたため食物残渣の停滞も改善した。以上より、歯肉歯槽粘膜の手術は審美的な点から患者の要望が強いが、口唇・口蓋裂手術後の瘢痕拘縮による口腔前庭狭小に対しても術後の後戻りも少なく有効な方法と考えられた。
- ID情報
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- ISSN : 0913-3941
- 医中誌Web ID : 2010118080