2018年10月 - 2022年3月
ナノ精度飛跡検出器によるタウニュートリノ生成研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
タウニュートリノは3世代あるニュートリノの中でも生成と検出が困難であったため、これまでの実験データが少なく、基本的性質である反応断面積の測定も不定性が大きい。反応断面積を精密に測定することは、ニュートリノ振動実験や宇宙からのタウニュートリノ観測のための基礎データになるとともに、タウニュートリノ反応において標準理論を超える物理があるかどうかを探索する試みである。本研究では、反応断面積測定における最大の不定性であるタウニュートリノの生成について、CERNのSPS加速器による陽子ビームを用いて研究する。それに加えて、これまでの実験データが少ない超前方のチャーム粒子生成についての研究が可能であることから、今後の高エネルギーニュートリノ測定に向けた基礎データとしてその測定にも取り組む。
CERNのSPS加速器による400GeV陽子ビームを用いた照射実験(物理ラン)に向けて、パイロットランのデータを用いてデータ読み出し・解析体制の構築を行ってきた。上で述べた超前方のチャーム粒子生成については、そのパイロットランのデータを用いて実施している。微小な崩壊角を捉えるため、高精度での角度測定を開発し、背景事象を減らすため運動量測定手法の改良を行っている。それとともに、物理ランでのタウニュートリノの生成源であるDs中間子のタウ粒子への崩壊事象の測定に向けて、検出器デザインの最適化、エマルションフィルムの製造体制の構築、データ読み出し・解析体制の準備を進めている。
CERNのSPS加速器による400GeV陽子ビームを用いた照射実験(物理ラン)に向けて、パイロットランのデータを用いてデータ読み出し・解析体制の構築を行ってきた。上で述べた超前方のチャーム粒子生成については、そのパイロットランのデータを用いて実施している。微小な崩壊角を捉えるため、高精度での角度測定を開発し、背景事象を減らすため運動量測定手法の改良を行っている。それとともに、物理ランでのタウニュートリノの生成源であるDs中間子のタウ粒子への崩壊事象の測定に向けて、検出器デザインの最適化、エマルションフィルムの製造体制の構築、データ読み出し・解析体制の準備を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 18KK0085
- 体系的課題番号 : JP18KK0085
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Journal of High Energy Physics 2020(1) 2020年1月 査読有り