論文

2016年

記憶課題における学習容易性判断に関する手がかり利用仮説の検討

認知心理学研究
  • 山根 嵩史
  • ,
  • 中條 和光

13
2
開始ページ
47
終了ページ
57
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.5265/jcogpsy.13.47
出版者・発行元
日本認知心理学会

本研究では,記憶課題におけるメタ認知的モニタリングの一つである学習容易性判断(ease of learning judgment)のメカニズムを検討した.EOLには,記銘材料のイメージ価や使用頻度などの情報が判断に利用されると仮定した.EOLの際に意味記憶内のそれらの情報が検索されるならば,判断に伴って項目の偶発的な精緻化が生じることが予測される.そこで,偶発学習事態において,EOLと浅い処理を伴う方向付け課題との記憶成績の差を指標として,EOLのメカニズムを検討した(実験1, 2).その結果,EOLのほうが浅い処理よりも記憶成績が高く,偶発的な精緻化が生じていることが確認された(実験1, 2).実験3では,それらの結果が,EOLによって生じたものであり,記銘意図によるものでないことを確かめるために,意図学習の事態でもEOLによる同様の符号化の促進が起こることを示した.以上の結果より,従来,学習判断(JOL)に関して提唱されてきたメタ認知的モニタリングに関する手がかり利用アプローチが,EOLにも適用できることが明らかとなった.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5265/jcogpsy.13.47
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005395278
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11971335
ID情報
  • DOI : 10.5265/jcogpsy.13.47
  • ISSN : 1348-7264
  • CiNii Articles ID : 130005395278
  • CiNii Books ID : AA11971335
  • identifiers.cinii_nr_id : 9000345375893

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