共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

藻類のCO2濃縮オルガネラを液-液相分離の視点で捉え直す

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03073
体系的課題番号
JP20H03073
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円
資金種別
競争的資金

本研究の目的は、藻類が持つ液-液相分離(以下、相分離)するオルガネラをモデルとして、水圏環境の光合成の維持に関わるCO2濃縮機構を相分離の視点で捉え直すことである。具体的には、藻類の葉緑体内でCO2固定酵素Rubiscoが凝集した構造であるピレノイドについて、1) 相分離する性質を持つピレノイドの構成因子、2) ピレノイド構成因子の1細胞観察によるドロプレット内の分子の振る舞い、3) 相分離の状態が異常になったピレノイド変異株のスクリーニングによるピレノイドの消失・生成・数・分裂を制御する因子の同定、について明らかにする。昨年度は、マイクロ流体デバイスを用いたピレノイド分裂の高解像度リアルタイム1細胞観察系を立ち上げるとともに、Rubisco結合モチーフをもつタンパク質をコードする遺伝子が破壊されたピレノイド形成変異株の単離・解析を行った。今年度は、これらの解析をさらに推し進め、ピレノイドの形成不全により、CO2濃縮に関わる重炭酸イオン輸送体の蓄積が顕著に減少することや、ピレノイド周囲に局在するCO2濃縮に必須なタンパク質の局在が異常になることを初めて見出した。また、ピレノイド構成タンパク質と蛍光タンパク質Venusとの融合タンパク質を発現する株に対して、高解像度リアルタイム1細胞観察系を用いてFRAP(光褪色後蛍光回復法)を適用できる観察系を構築し、CO2濃度条件によって蛍光の回復速度が異なることを見出した。さらに、ピレノイドの数に注目し、その数が異常になった変異株を複数単離し、生育や光合成活性などの表現型解析を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03073
ID情報
  • 課題番号 : 20H03073
  • 体系的課題番号 : JP20H03073

この研究課題の成果一覧

論文

  5

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  29

学術貢献活動

  1

社会貢献活動

  2

メディア報道

  1