2019年4月 - 2023年3月
抗がん剤脱毛時の頭皮悪化が予測できるウィッグ装着型ウェアラブル端末の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、抗がん剤投与における頭皮の炎症レベルとの関連を見つけるために、①抗がん剤投与による頭皮炎症レベルの決定と②炎症レベルを教師データとし、入力データに頭皮状態の測定結果を採用した機械学習(人工知能の1つ)を、新潟大学ビックデータアクティベーションにて行うことで医学的なエビデンスをつけた抗がん剤投与中の頭皮の炎症レベルと頭皮状態の変化シグナルと関連を提示することを目的とし、時系列的に悪化が予測できるウィッグ装着型のウェアラブル端末の開発を最終目標としている。今年度は①温湿度に着目し、外部環境にかかわる頭部状態の検証及び②頭皮の画像解析の方策の検討を行った。①方法は、毛髪を有した健常女性35名、脱毛がありウィッグを装着している女性4名、計39名を対象に,人工気候室にて、2条件の設定下(①:温度28℃・湿度50%、②:温度30℃・湿度50%)で15分の軽作業による滞在中の頭部内の温湿度測定を行った。測定部位は頭頂部(以下A)、右側頭部(以下B)、左側頭部(以下C)、後頭部(以下D)の4か所とした。結果、測定部位による温湿度について全対象の測定結果から、①条件では温度は(34・55℃)が高値で湿度はD(50.97%)が高値であった。②条件ではC(35.30℃)がすべての部位より高値であり、湿度はD(50.85%)と最も高値を示した。②乳がんによる抗がん剤治療を受けた患者4名、健常者34名についてUSBマイクロスコープを用いて頭部画像を撮影し、グレーレベル同時生起行列(GLCM)を用いた特徴量解析をした結果、GLCM特徴量のうち、均質性、明度・彩度、相関、逆差分では脱毛頭皮と健常者の頭皮の間に有意差がみられた。脱毛頭皮と健常者の頭皮の状態は異なると考えられ、脱毛時の頭皮構造と不快症状との関連について検証を進める一助となることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H03931
- 体系的課題番号 : JP19H03931
この研究課題の成果一覧
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論文
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北関東医学雑誌 73(3) 191-198 2023年10月 査読有り責任著者
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がん看護 28(6) 559-561 2023年7月 招待有り責任著者