2006年
リンゴ属野生種におけるモモシンクイガ幼虫の発育
北日本病害虫研究会報
- ,
- 巻
- 57
- 号
- 57
- 開始ページ
- 205
- 終了ページ
- 207
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11455/kitanihon1966.2006.205
- 出版者・発行元
- 北日本病害虫研究会
モモシンクイガは、幼虫がリンゴをはじめとするバラ科果樹の果実に寄生する。収穫部位である果実を直接加害するという習性から、これらの果樹において最も重要な害虫の一つとされ、古くから生態や防除に関する研究が行われてきた。しかし、幼虫がいったん果実に食入してしまうと、果実内部を観察することが困難なため、食入後の生態については知見が少ない。近年、著者らは肥大成長期のリンゴ'ふじ'の果実内において、発育途中のモモシンクイガ幼虫が高い割合で死亡することを確認した。さらに、この高い幼虫死亡率は樹に着果している果実でのみ認められ、樹から切り離した果実では死亡率が低下することが明らかになっている。モモシンクイガは元来、山野に自生するリンゴ属野生種(以下、リンゴ野生種)やナシ属野生種などのバラ科植物を主な寄主としていたと考えられるが、人為的に育種されてきた栽培品種と異なり、これらの野生種の果実は非常に小さい。そのため、'ふじ'における高い死亡率をもたらす要因の一つとして、栽培品種に見られる果実の急速な肥大生長による幼虫の物理的死亡が仮定された。しかし、リンゴ野生種におけるモモシンクイガの幼虫発育については、これまで明らかになっていない。そこで、本研究では、リンゴ野生種の果実におけるモモシンクイガの幼虫死亡率を明らかにすることを目的に調査を行った。また、リンゴ野生種として、果実の大きさが異なる3種を供試し、果実の肥大率と幼虫生存率との関係も検討した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11455/kitanihon1966.2006.205
- ISSN : 0368-623X
- CiNii Articles ID : 130004333431
- CiNii Books ID : AN00052373