共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

線条体中型有棘ニューロンにおけるドーパミン伝達の時空間的統合過程の理解

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03349
体系的課題番号
JP20H03349
配分額
(総額)
17,940,000円
(直接経費)
13,800,000円
(間接経費)
4,140,000円

動物やヒトは、どのような感覚情報や行動が報酬に結びつくのかを学習する(報酬学習)。線条体ニューロンは、感覚・運動情報をコードした大脳皮質からのグルタミン酸入力と、報酬情報をコードした中脳からのドーパミン (DA) 入力を受けるため、両者のシグナル統合が報酬学習の細胞基盤と想定されている。しかし、両者が時空間的にどのように統合されるのかは不明である。本研究は、新規分子標識技術を用いて、線条体中型有棘ニューロンにおけるドーパミンとグルタミン酸のシグナル統合過程を形態学的技術を用いて明らかにすることを目的とする。この目的を達成するため、ゲノム編集を介して分子標識を行うと同時に、遺伝子組み換え酵素遺伝子をノックインすることで、アクティブゾーンが標識されたニューロン選択的に遺伝子発現を操作する新規技術の確立を試みてきた。しかし、ゲノム編集に用いるドナーテンプレート上の遺伝子組み換え酵素遺伝子がリーク発現を起こすため、ゲノム編集に依存しない非特異的な遺伝子組み換えが問題となっていた。本年度は海馬器官培養スライス標本を用いることで効率的な条件検討を進めた結果、ドナーテンプレートを工夫することにより、リーク発現を抑えることに成功した。現在は、この方法を中脳ドーパミンニューロンに応用し、ドーパミン放出部位がラベルされたドーパミンニューロンのみを標識、操作可能にしたマウスの作出を目指している。一方で、本年度は蛍光寿命イメージングのための顕微鏡のセットアップが完了し、グルタミン酸アンケイジングによって誘導されたスパイン構造可塑性に伴うCaMKIIa活性プローブの蛍光寿命の計測に成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03349
ID情報
  • 課題番号 : 20H03349
  • 体系的課題番号 : JP20H03349