共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

末梢血単球の糖代謝モニタリングを用いた糖尿病性動脈硬化進展予防スキームの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K17121
体系的課題番号
JP20K17121
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

糖尿病は疫学上動脈硬化性心血管疾患の強いリスク因子であるが、なぜリスク因子となるかは明らかでない。糖尿病性動脈硬化症の病態解明と病態に基づく動脈硬化進展予防スキームの構築を目的として、多層的な検証を進めている。大動脈瘤手術時に採取された動脈硬化病変組織を用いて以下の検討を行った。①病理学的解析、②キャピラリー電気泳動-飛行時間型質量分析計を用いた組織内代謝産物量の網羅的測定、③RNAマイクロアレイ解析及びRT-PCRを用いた遺伝子発現評価である。結果、早期病変から進行病変かけて量的に有意に変動する代謝産物・代謝関連遺伝子群を認め、中でも強い変動を認める代謝経路としてキヌレニン代謝を同定した。病理学的解析においてキヌレニン代謝関連酵素のマクロファージにおける発現を確認し、引き続きヒト末梢血単核球由来マクロファージを用いて、同酵素の機能解析実験を施行し、炎症病態との関連性を見出した。糖尿病 vs 非糖尿病患者から得られた血管病変の組織内代謝産物の量的比較を行ったが、糖尿病血管病変にて糖代謝経路の亢進を示唆する所見は認めなかった。以上の結果は、Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (Nishimura et.al, 2020, Dec)に収載された。現在末梢血単核球から単球分画の単離工程の至適化を図り、引き続くフローサイトメトリー解析までのシンプルなワークフローを構築中である。末梢血単球を用いた糖代謝解析の臨床研究を本年度より開始すべく準備を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K17121
ID情報
  • 課題番号 : 20K17121
  • 体系的課題番号 : JP20K17121