2011年1月
右後大脳動脈梗塞 (内側後頭側頭葉領域) による街並失認の一例.
高次脳機能研究
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- 巻
- 31
- 号
- 4
- 開始ページ
- 384
- 終了ページ
- 392
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.2496/hbfr.31.384
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
症例は 68 歳女性, 右後大脳動脈領域の脳梗塞後に街並失認をきたした。基本的な視知覚機能は保たれていたが, 状況図の同定では全体把握が困難であり, 同時失認が認められた。街並の同定や描画においても, すべてが部分部分のつなぎ合わせであり, また街並を想起する際にも全体をとらえることが困難であった。街並を認知するには, 各建物とそのレイアウトを理解し, それらをまとめ上げて意味に到達することで同定に至る。本症例は右海馬傍回病変によって街並のレイアウト, context の理解という全体把握の機能が損なわれたことで, 複雑な視覚対象の認知が困難となり, 街並失認が生じたと考えられた。本症例の示すような街並失認と同時失認は, 全体把握の障害という共通した特徴を持ち, その背景基盤が極めて近接した障害であることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2496/hbfr.31.384
- ISSN : 1348-4818
- CiNii Articles ID : 10031154739
- CiNii Books ID : AA1182424X