2020年7月 - 2023年3月
レーザー高速圧縮とパルスX線瞬間回折による衝突融解現象の時間進展解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
46億年の昔、原始の太陽をとりまく星雲の中で、無数の小天体が衝突と合体を繰り返すことで惑星や衛星、小惑星が成長した。そこでは強い圧縮を伴う加熱や、摩擦変形に起因する発熱が起こり、その過程が惑星構成物質の状態に多大な影響を与えた。特に衝突時に発生した融解の現象は、隕石のショックベインなどの特徴的な組織の生成や、コンドリュールのもとになったマグマのしぶき、特異な高密度鉱物などの生成の原因となった。本研究課題では、この衝突融解の現象を、高強度レーザーとX線自由電子レーザー、光学計測を組合せた実験によって再現することを通して、初期太陽系の物質進化の歴史の重要な部分を復元する。惑星構成物質の主役の一つであるカンラン石を中心に、含水鉱物なども含めた物質を瞬間的に衝撃圧縮して融解させた上で、その後の時間進展を圧縮状態その場において調べてゆく。
以上の研究目標のもとで、当該の年度においても理化学研究所播磨事業所のSACLA施設において、ハイパワーレーザー駆動衝撃圧縮と組み合わせたX線回折の計測実験を進展させた。具体的には、無水ケイ酸塩鉱物、含水ケイ酸塩鉱物、炭酸塩鉱物それぞれの種類の試料が衝突融解する際の構造進展の観察を行う実験をほぼ完了させることができた。各試料が融解するまでのX線回折パターンデータを取得した上で、前年度までに行ったユゴニオ計測の結果とも組み合わせた解析を進めている。以上の実施の状況により、課題の目的の達成のために必要な実績は順調に得られていると判断した。
以上の研究目標のもとで、当該の年度においても理化学研究所播磨事業所のSACLA施設において、ハイパワーレーザー駆動衝撃圧縮と組み合わせたX線回折の計測実験を進展させた。具体的には、無水ケイ酸塩鉱物、含水ケイ酸塩鉱物、炭酸塩鉱物それぞれの種類の試料が衝突融解する際の構造進展の観察を行う実験をほぼ完了させることができた。各試料が融解するまでのX線回折パターンデータを取得した上で、前年度までに行ったユゴニオ計測の結果とも組み合わせた解析を進めている。以上の実施の状況により、課題の目的の達成のために必要な実績は順調に得られていると判断した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K20947
- 体系的課題番号 : JP20K20947