【目的】本研究の目的は、地方自治体および国際交流協会がウェブ上で発信している、在日外国人が入手可能なCOVID-19関連の情報を分析することである。【方法】本研究は2020年6月から2020年10月の間に実施した。47都道府県および64の代表的な国際交流協会のCOVID-19に関するオンライン情報を調査した。該当する情報の内容は、まず4つのカテゴリーに分類した上で、記述的に分析された。(1)情報コンテンツの分類(2)COVID-19情報を提供するために用いられた言語の種類(3)相談サービスを提供する施設または機関の種類、およびウェブサイトに外部リンク先の施設または機関の種類(4)情報配信メディアの種類。【結果】地方自治体は在日外国人に対してウイルスおよび疾病(95.7%)、日本政府の対応(89.4%)、日本での日常生活(83.0%)ならびに海外(19.1%)に関わる情報を提供していた。国際交流協会が提供する情報は日常生活情報(56.3%)および海外情報(20.3%)により多く関わるものであった。47都道府県の多言語新型コロナウイルス関連情報の内、最も多く使用された10の言語(日本語を除く)は英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、インドネシア語、フランス語、ロシア語およびタガログ語であった。相談サービスおよび都道府県ホームページ上での外部リンクを提供していた施設または機関の種類は地方レベル、全国レベルおよびその他というように分類できた。情報発信メディアについては、すべての都道府県がその公式ホームページ上で外国人に対してCOVID-19に関連する情報を提供していた。しかし、国際交流協会は多様な手法を用いて在住外国人にCOVID-19情報を提供していた。具体的には、ホームページ(92.19%)、フェイスブック(81.25%)、ツイッター(20.31%)に加えてLINE、ブログ、インスタグラム(9.38%)等である。【結論】都道府県および国際交流協会は在住外国人に対してCOVID-19情報を多様な内容、複数の言語および複数の方法で提供していた。(著者抄録)