共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

高校地理カリキュラムにおける環境教育の国際比較研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 梅田 克樹

課題番号
16K03184
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

本年度は、ニュージーランド(3月)およびインドシナ半島(9月)において現地調査を実施した。
ニュージーランドにおいては、冷涼な気候と豊かな草地資源を活用した畜産業(とりわけ酪農)が、同国の基幹産業になっている。しかし、国土の大半を占有する酪農場が、同国における環境負荷の最大発生要因になっていることも事実である。農地造成のために森林の大半が既に失われ、深刻な土壌流出が継続的に発生し、また家畜糞尿に起因する水質汚濁や温室効果ガスの増加が懸念されるためである。世界的な乳製品需要の拡大に対応した生乳増産によって、そのリスクはますます高まっている。その一方、外来生物の流入が畜産業にもたらす被害も深刻さを増していることから、輸入食品等に対するきわめて厳しい検疫体制が構築されている。このことが、一種の非関税障壁として機能している現状にもなっている。このように、ニュージーランドの生徒たちにとって最も身近かつ深刻な環境攪乱要因である酪農の現状と、その中等学校教育における取り扱いについて、資料収集および聞き取り調査を実施した。あわせて、高付加価値農業への転換をめざすニュージーランドの象徴的作目であるワイン醸造用原料ブドウについても検討を行った。従来、農地としての利用度が低かった乾燥地域における原料ブドウ産地の出現が、ローカルな環境攪乱要因になりうることが懸念されるためである。生産者における環境負荷軽減への取り組みと、そのことがブランド価値を創出する仕組みについて調査を実施した。
上記のほか、インドシナ半島(カンボジア・ベトナム)においても調査を実施した。急速な経済成長による環境改変が進行する中で、どのような環境教育カリキュラムが展開されているのかという点に着目した。現地大学等の協力を得て、都市開発・農地開発に対する取り組みと、それらの教育現場での取り扱いについてき切り調査及び資料収集を実施した。