2015年6月5日
国頭マージ土壌におけるソバ湿害発生と献立て栽培の導入による湿害回避効果
日本土壌肥料学雑誌
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- 巻
- 86
- 号
- 3
- 開始ページ
- 198
- 終了ページ
- 201
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.20710/dojo.86.3_198
- 出版者・発行元
- 日本土壌肥料學會
ソバ(Fagopyrum esculentum Moench)は畑作物の中でも極めて省力的な栽培が可能な作物であり,また地域特産作物として地域の経済活動を支える重要な作物である。沖縄県においては従来,ソバの栽培は行われていなかった。しかしながら温暖な気候を活かして国内では最も早く収穫できる可能性があることから,沖縄県でのソバ栽培が試みられている(吉永ら,2009; 原,2011; 原ら,2011)。沖縄本島北部の大宜味村では耕作放棄地対策事業の一環としてソバを導入し,新たな村の特産作物として栽培を拡大する施策が進められている。2011年の作付面積は29haと増加したが,面積拡大に伴いソバの生育不良が問題となる圃場が散見されるようになった。ソバは気候適地が広く,幅広い土性,土質下でも栽培できるが,湿害には極めて弱い(林,1997)。このため全国的に,水田転換畑など湿害が発生し易い圃場においては湿害を回避する栽培技術が利用されている。たとえば,耕うん同時畝立て播種技術(細川,2011; 土屋ら,2010)があり,この技術では,トラクタの進行方向と同じ方向に回転するダウンカット(正転)ロータリではなく,逆回転のアップカット(逆転)ロータリを用い,湿潤な重粘土における砕土率を向上させる工夫がなされている。また,爪の方向を従来の方向から変更して一工程で耕うんと平高畝を作成可能な構造となっている。大宜味村が位置する沖縄本島北部には国頭マージと呼ばれる重粘質土壌が分布しており,下層土が緻密(登川・寺沢,1982)なうえ,一般に農地造成時の作業機械によるこね返し,転圧と相まって排水性が悪化しやすい(翁長・宜保,1984)。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20710/dojo.86.3_198
- ISSN : 0029-0610
- J-Global ID : 201502213497356389
- CiNii Articles ID : 110010031859
- CiNii Books ID : AN00195767