共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

ロールズ政治哲学と政治・経済思想:21世紀のリベラリズムをめざして

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01446
体系的課題番号
JP20H01446
配分額
(総額)
16,250,000円
(直接経費)
12,500,000円
(間接経費)
3,750,000円

プロジェクトの初年度にあたる本年度は、宇野・井上・加藤による調整の上、政治哲学班、政治思想史班、経済思想班合同で研究会を開始し、問題意識の共有をはかった。
この目的の実現のために選んだテキストが、K. ForresterのIn the Shadow of Justice: Postwar Liberalism and the Remaking of Political Philosophy, Princeton University Press, 2019である。Forresterは批判理論系のintellectual historyを専門とする研究者であるが、政治学(史)、経済学(史)、国際関係論、社会学、そして哲学に至る幅広い知識を活用して、ロールズおよびロールズ主義の思想史を紐解いている。同書を共に読むことで、ロールズの政治哲学を専門とする研究者とそうでない研究者、政治哲学研究者と政治思想史研究者、さらに経済思想研究の間でのロールズ理解の異同を確認し、多様なアプローチを総合する本プロジェクトの方向性を検討した。特に第4章(井上担当)、第5章(馬路担当)、第7章(田端担当)、第8章(宮本担当)については、担当者を決めて1回に1章ずつ読み進め、計4回の研究会を開催した。
Forresterの①ロールズの正義論が戦後アメリカのリベラリズムの流れの中で形作られたものであること、②ロールズの政治哲学がアメリカの主要な政治的イデオロギーとして継承された反面、良心的不服従、人種問題、国際政治などの現実政治の諸問題とは一定の距離を置くことになったという二つの仮説を検討することは、ロールズ政治哲学の思想史的理解を発展させる上で非常に有益であった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01446
ID情報
  • 課題番号 : 20H01446
  • 体系的課題番号 : JP20H01446

この研究課題の成果一覧

論文

  4

講演・口頭発表等

  3