論文

査読有り 国際誌
2017年5月

エタノール誘導マウス胃粘膜障害に対する温泉水摂取およびラドン吸入の抑制効果

Journal of Radiation Research
  • 恵谷 玲央*
  • ,
  • 片岡 隆浩*
  • ,
  • 神崎 訓枝*
  • ,
  • 迫田 晃弘
  • ,
  • 田中 裕史
  • ,
  • 石森 有
  • ,
  • 光延 文裕*
  • ,
  • 田口 勇仁*
  • ,
  • 山岡 聖典*

58
5
開始ページ
614
終了ページ
625
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1093/jrr/rrx021

ラドン($^{222}$Rn)ガスを用いたラドン療法は、ラドンガスの吸入とラドンを含む水の摂取の2種類の治療に分類される。温泉水の短期または長期の摂取は胃粘膜血流を増加させ、温泉水治療が慢性胃炎および胃潰瘍の治療に有効であることはわかっているが、粘膜障害に対するラドンの正確な影響やそのメカニズムは不明である。本研究では、マウスのエタノール誘導胃粘膜障害に対する温泉水摂取およびラドン吸入の抑制効果を検討した。マウスを用いて、ラドン2000Bq/m$^{3}$を24時間吸入、または温泉水を2週間摂取させた。水中$^{222}$Rn濃度は、663Bq/l(供給開始時)から100Bq/l(供給終了時)の範囲にあった。その後、マウスに3種類の濃度のエタノールを経口投与させた。粘膜障害の指標である潰瘍指数(UI)は、エタノールの投与量に依存して増加した。しかし、ラドン吸入または温泉水による処理は、エタノールによるUIの上昇を抑制した。ラドン処理群と無処理対照群では抗酸化酵素の有意差は認められなかったが、ラドンまたは温泉水で事前処理したマウスの胃の過酸化脂質レベルは有意に低かった。これらの結果は、温泉水摂取とラドン吸入がエタノール誘導胃粘膜障害を抑制することを示唆している。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1093/jrr/rrx021
PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28498931
PubMed Central
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5737809
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5061155
ID情報
  • DOI : 10.1093/jrr/rrx021
  • ISSN : 0449-3060
  • PubMed ID : 28498931
  • PubMed Central 記事ID : PMC5737809

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