基本情報

所属
京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 准教授
学位
博士(理学)(2009年3月 京都大学)

ORCID iD
 https://orcid.org/0000-0003-2775-8746
J-GLOBAL ID
201201065536245055
researchmap会員ID
7000001080

外部リンク

私たちは、約30兆個もの細胞が集まって出来ていると言われています。細胞の中では、10万種類以上のタンパク質が躍動し、生命現象を司る“主役”として活躍しています。材料だけで見ればアミノ酸の鎖に過ぎないタンパク質が、細胞の中でどのように産まれ(合成)、どのように成熟し、そしてどのように死んでいくのか(分解)、私たちはこれを“タンパク質の一生”としてとらえ、タンパク質が織りなす多彩な生命現象をより深く理解したいと考えています。細胞にとって正しい“タンパク質の一生”を送らなければ、細胞は死んでしまい、ときに私たちは病気になってしまいます。細胞には、実に巧妙なタンパク質品質管理と、環境づくり(恒常性維持機構とストレス応答)が備わっており、恒常性の破綻を防ぐメカニズムがあります。私たちは、このメカニズムを研究することで、関連する病気の治療法開発を目指し、研究を続けています

図1.タンパク質の成熟と誕生

タンパク質は、翻訳装置リボソームによってアミノ酸の鎖(ポリペプチド鎖)として、合成されます。この時点では、まだタンパク質とは言えません。タンパク質がタンパク質として機能するには、折り畳まれて(フォールディングして)正しい立体構造(かたち)を獲得し、成熟しなければいけません。成熟の過程では、細胞に存在する分子シャペロン群や酸化還元酵素群を巧みに利用し、タンパク質成熟を促進しています。我々の研究室では、これら分子シャペロンや酸化還元酵素群の働きについて、分子メカニズムの解明を目指しています。

図2.タンパク質の成熟に失敗したとき

タンパク質フォールディングは簡単ではありません。フォールディングの失敗は、細胞の中で頻繁に起こり、正しい立体構造を獲得できなかったタンパク質(不良タンパク質)は、タンパク質としての機能を失うだけではなく、それが細胞にとって負荷(ストレス)となってしまう場合があります。ストレス状態が続いてしまう場合、それがきっかけで細胞死を引き起こすことがあり、その細胞死は神経変性疾患など様々な病気の原因となります。細胞に備わるタンパク質品質管理によって適切に処理されれば(図では不良タンパク質を選択的に分解しています)、細胞の恒常性が維持され、我々を病気から防いでくれています。我々は、どのように不良タンパク質が選択的に分解に導かれるのか、タンパク質品質管理メカニズムの解明を目指しています。

 


論文

  25

MISC

  3

書籍等出版物

  11

講演・口頭発表等

  151

所属学協会

  6

共同研究・競争的資金等の研究課題

  15

メディア報道

  34