共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

妊婦と胎児へのカトマンズ市内大気汚染被害の実態とその緩和策に関する実証研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K12854
体系的課題番号
JP17K12854
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

本研究の目的はネパールの首都カトマンズにおいて大気汚染の健康への影響について、国境封鎖期間を利用した自然実験により、胎児の出生体重について聞き取り調査を行うことで、その深刻さを定量的に明らかにすることである。
今年度の進捗は主に二つである。一つは昨年度に行なった本調査のデータ解析である。サンプルサイズを増やした検証を行なったところ、昨年度に行なったプレ調査の結果とは異なり、国境封鎖期間中と封鎖前、封鎖後において、幼児の出生体重に統計的な違いが見られないことが推察された。調査内容についてはGISを用いてカトマンズの区画をランダムに選定されたエリアについて調査を行なったデータを用いたことから、カトマンズ全体としては差が見られないことが考えられる。現在は調査内容のうち他の健康状態に関する調査結果と、他のソースから取得可能なデータを結合させて別途検証を行っており、本研究の仮説を裏付ける結果が得られた場合は次年度には論文を執筆して投稿する予定である。
二つ目は論文の執筆である。本研究の主目的である国境封鎖期間中の胎児の健康状態に関する影響については、生活水準が首都カトマンズと、その他の農村地域の住民では異なる可能性がある一方、その証明も必要であることから、首都圏以外での同時期の検証も行う必要があった。そのため、首都圏と農村地域での相対比較を行うために近隣農村地帯の住民に関する社会調査を行なった結果についてまとめて論文を執筆し、現在海外論文誌に投稿中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K12854
ID情報
  • 課題番号 : 17K12854
  • 体系的課題番号 : JP17K12854