2012年3月31日
「アイヌ女性叙事詩「スズメの酒盛り」についての考察:交差対句と心意」
『アジア民族文化研究』 アジア民族文化学会
- 巻
- 号
- 11
- 開始ページ
- 181
- 終了ページ
- 213
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- アジア民族文化学会
アイヌの習俗を象徴した属性の一側面が、対称性と調和という言葉で表現できると筆者は理解しており、アイヌ口承文芸に散見される「交差対句」は、このような属性が修辞構造的に表出されたものであるとの考えを持っている。本稿は、筆者による前稿の知見を踏まえ、平村つる・小川シゲノ両氏から採録され、既に文献化されているメノコ・ユカラ(女性叙事詩)「スズメの酒盛り」を中心テキストとし、そこに見出されるいくつかの交差対句とその対応パターンについての分析を行った。小川シゲノ氏の謡では、「物理的な変化」どうしを対応の要素とする交差対句と、「物理的な変化」の「前」と「後」を要素とする交差対句が確認できた。併せて、貝沢ちき氏の散文説話(ウエペケレ)「パナンペとペナンペがいました」と知里幸惠氏による口くらべ「老いたカラス」の構造を分析した。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40019293047
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11655197
- ID情報
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- ISSN : 1348-0758
- CiNii Articles ID : 40019293047
- CiNii Books ID : AA11655197