福島の河川水系における放射性セシウムの移動挙動
16th International Conference on the Chemistry and Migration Behaviour of Actinides and Fission Products in the Geosphere (MIGRATION 2017)
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- 開催年月日
- 2017年9月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 国・地域
- スペイン
調査で得られた環境中における放射性セシウムの移動現象に関する理解を概観するとともに、そのほかの放射性核種の分布状況を放射性セシウムと比較した。森林から土壌粒子とともに1年間に流出する放射性セシウムは、初期沈着量の0.1\%程度で、リターや下層植生が繁茂していれば、森林の植生によらなかった。湧水点付近で採取された渓流水中には、地下水より高濃度の放射性セシウムが含まれており、溶存態放射性セシウムがリターの分解や土壌からの脱離により生成し、湧水点付近で溶解したことが示唆された。河川水中の溶存態放射性セシウム濃度は、いずれの河川でも1Bq/Lより低かった。福島第一原子力発電所近傍における放射性核種分布状況の方位依存性は、発電所内における分布と同様なので、サイト外の分布状況に基づきサイト内の分布状況を推測することは可能と考えられた。