共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

豪雨/地震災害リスク予測・評価による農業水利施設(群)の動学的マネジメント

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03967
体系的課題番号
JP18H03967
配分額
(総額)
32,110,000円
(直接経費)
24,700,000円
(間接経費)
7,410,000円

平成30年度は初年度の研究遂行にあたり、研究備品3Dプリンタの購入・設置を行った。各研究項目につき、以下の内容を遂行した。
地盤表面及び内部での土の侵食/変形に関して、土の表面で生じる現象のモデリングに取り組んだ。土の表面に作用する流体力(浸透流が表面の土粒子群に与える力)を評価するため、3Dプリンタを用いて一様な粒径を有する疑似的な土試料を作成した。土試料は、一層毎のシートとなっており、これを積み重ねることで、模擬土質試料を完成させた。また、この試料を利用した浸透実験装置を作成し、表層の浸透力の測定に取り組んだ。研究計画のうち「土表面に作用する流体力のモデリング」について、上向き浸透流が土粒子群の表面に与える流体力を調べた。
兵庫県のため池においてUAVを用いて三次元計測を行い、三次元モデル化を実施した。さらに、地中部分も含め、有限要素モデル化を行った。これを用いて三次元有限要素法動的解析を実施し、ため池堤体の三次元安定性を検討した。
一方、ため池堤体を模擬した遠心模型実験とその数値解析を実施した。遠心模型実験ではため池堤体の締固め度、ため池水位の変動、ため池堤体の対策工がため池堤体の地震時変形量に与える影響を検討した。この結果、ため池堤体の締固め度が十分であれば、地震時変形量は抑えられること、ため池水位が急低下した状態では地震時変形量が大きくなること、ため池堤体法尻の排水工が有効な対策であることを明らかにした。
既設管水路を対象として近接する杭基礎構造物を構築するときのリスクを評価するため、アルミ棒を用いた模型実験とその数値解析を実施した。管水路までの水平距離と杭先端からの深さをパラメータにして、影響範囲と大きさを検討した。水平距離では管径の3倍離れると影響はなくなり、1.5倍の位置では杭基礎が傾く可能性が大きくなることを、模型実験と数値解析から明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03967
ID情報
  • 課題番号 : 18H03967
  • 体系的課題番号 : JP18H03967

この研究課題の成果一覧

論文

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