2021年8月 - 2023年3月
感謝体験者による非道徳的行動:恩人の不正を匿う嘘
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
本研究の目的は,感謝体験者が感謝対象者の不正を匿う嘘をつくかを検討することである。このために,個人参加型の行動実験を令和3年度から実施中であるが,事前の例数設計通りの観測数に至っていないため,まだ結論づけることはできない。この行動実験は,オンライン参加者プールのアカウント登録の告知が完了してから,サンプリングを再開する。一方,事前に計画していた,新入生が在校生に感じる感謝感情についてのフィールド実験は,実験マテリアルや手続きの準備までは完了していたものの,新入生の心理的負担への懸念などを理由に所属機関の倫理委員会による実施承認を得られなかった。そのため代替となる研究や,別の視点を加えての実験を新たに実施することを検討中である。
また本研究では,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対する,第三者からの評価が肯定的であるかを検討することも進めている。これについては,実験操作されたシナリオを読んだ上での評定を参加者に求める研究を2件実施済みである。この実験の結果,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対して「この人物とは互恵関係を構築できそうだ」という肯定的な評価が生じやすくなることが示唆されている。このシナリオ実験の知見は,適度な抽象度を持つために知見の演繹可能範囲が広く,精密な要因操作と統制をした上で因果的な効果を確認できたという点で意義のある知見である。1件目は令和3年10月の学会大会にて発表済みであり,2件目は令和4年5月の学会での発表を登録済みである。また,2件をまとめた上での国際誌への投稿を準備中である。
また本研究では,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対する,第三者からの評価が肯定的であるかを検討することも進めている。これについては,実験操作されたシナリオを読んだ上での評定を参加者に求める研究を2件実施済みである。この実験の結果,感謝対象者の不正を匿う感謝体験者に対して「この人物とは互恵関係を構築できそうだ」という肯定的な評価が生じやすくなることが示唆されている。このシナリオ実験の知見は,適度な抽象度を持つために知見の演繹可能範囲が広く,精密な要因操作と統制をした上で因果的な効果を確認できたという点で意義のある知見である。1件目は令和3年10月の学会大会にて発表済みであり,2件目は令和4年5月の学会での発表を登録済みである。また,2件をまとめた上での国際誌への投稿を準備中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K20304
- 体系的課題番号 : JP21K20304