共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

次世代シークエンサーによるBabesia gibsoniの薬剤耐性獲得機序の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K05966
体系的課題番号
JP18K05966
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円
資金種別
競争的資金

Babesia gibsoniがdiminazene aceturateに対する薬剤耐性を獲得するメカニズムを明らかにするために、2018年度にはそのDNAおよびRNAを抽出し、次世代シークエンサーによる解析を行った。この結果、大まかに発現量が増加する遺伝子、変化しない遺伝子、減少する遺伝子に分類できたが、2019年度には得られたデータをもとに、解析を詳細に実施した。この解析のために、東京大学の茂木助教を研究分担者に加え、データを様々な方法で解析した。結果として、B. gibsoniがdiminazene aceturate耐性を獲得したときには、トレハロース6リン酸合成酵素やゴルジ複合体のタンパク質をコードする遺伝子の発現量が増加していることが予想された。遺伝子発現量の変化を正確に測定するために、リアルタイムPCRを用いてこの発現量の変化を測定し、次世代シークエンサーによる発現量解析が正確であることを確認した。また、それらの遺伝子の塩基配列が正確に解析されているかを確認するためにダイレクトシークエンスによりこれらの遺伝子の全長をクローニングし、塩基配列もほぼ正確に解析できていることを確認した。DNAとRNAの解析結果を比較することでイントロンを明かにできることも確認した。さらに、別の解析方法でもトレハロース合成酵素の発現量が増加していることが示され、薬剤耐性獲得にトレハロースが何らかの関与をしていることが疑われている。ただし、DNAの解析においては得られたデータ量が不足しており、B. gibsoniの全塩基配列を決定するにはさらなる解析が必要であることが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K05966
ID情報
  • 課題番号 : 18K05966
  • 体系的課題番号 : JP18K05966