2019年4月 - 2021年3月
フンボルトの陶冶理論に基づく教授学体系の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本研究はドイツの教授学研究、教育改革の今日的の主要言説、またそうした言説の中における古典的な陶冶理論なかんずくフンボルトの陶冶理論と教育改革の構想の高い位置付けを、関連書籍・ドイツ教育改革行政資料・新聞雑誌等から広く捉える所から始まった。今日の教授学上・教育改革上の言説の中で、研究と改革の歴史的正統化の根拠として受容され、再構成されてきた今日のフンボルト像は、しかしながら、1800年当初の当時の文脈の中でのフンボルトの活動や著述などに立ち戻る時、多くの問い直されるべき余地があることが浮き彫りとなり、フンボルトの陶冶理論及び教育改革の中に見られるフンボルトの教授学的な知見を導出し描出することが、今日の教育改革の根拠づけに対する別様な解を開きうる意義を持ちうることが明らかとなり、研究課題として位置づけられた。
具体的にはフンボルトの学校教授の構想が、単なる理念的位置付けしか得てこなかったこれまでの先行研究に対して、本研究では、フンボルトが改革期に、学校視察や教員との交流を通して具体的な学校教授のカリキュラム論的・教授学的知見を残していたことを明らかにし、かつ、これらの教授学的知見の成立史的背景をフンボルトの初期思想形成期にまでさかのぼって体系的に記述・構成していくことで、フンボルトの陶冶理論に基づく学校教授の構想と教育改革の諸プロジェクトへの従事過程を明らかにすることができた。その検証の過程では、当時の改革史料を翻刻・分析することで、これまで明らかにされてこなかったプロイセン教育改革期のフンボルトの改革へのコミットや具体的な教育課程の審議過程を明らかにすることができた。
具体的にはフンボルトの学校教授の構想が、単なる理念的位置付けしか得てこなかったこれまでの先行研究に対して、本研究では、フンボルトが改革期に、学校視察や教員との交流を通して具体的な学校教授のカリキュラム論的・教授学的知見を残していたことを明らかにし、かつ、これらの教授学的知見の成立史的背景をフンボルトの初期思想形成期にまでさかのぼって体系的に記述・構成していくことで、フンボルトの陶冶理論に基づく学校教授の構想と教育改革の諸プロジェクトへの従事過程を明らかにすることができた。その検証の過程では、当時の改革史料を翻刻・分析することで、これまで明らかにされてこなかったプロイセン教育改革期のフンボルトの改革へのコミットや具体的な教育課程の審議過程を明らかにすることができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 19J12404
- 体系的課題番号 : JP19J12404
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
広島大学大学院人間社会科学研究科紀要. 教育学研究 1(1) 295-304 2020年12月
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カリキュラム研究 29 1-14 2020年3月 査読有り
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広島大学大学院教育学研究科紀要. 第三部, 教育人間科学関連領域 68 91-100 2019年12月