2019年5月
医療系学生における流行性ウイルス感染症ワクチン接種と抗体獲得率
CAMPUS HEALTH
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- 巻
- 56
- 号
- 2
- 開始ページ
- 111
- 終了ページ
- 116
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (公社)全国大学保健管理協会
本学では「医療関係者のためのワクチンガイドライン第2版」に準じて麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎の抗体価測定およびワクチン接種を行っている。抗体価のみでワクチン1回接種者を、かつ接種後抗体価と予防接種歴で2回目接種者を選定する方法(2段階法)から、平成29年より抗体価と接種歴で接種者および回数を選定するより簡素な方法(1段階法)に変更した。両選定法と抗体獲得率について、後ろ向き横断的に検討した。2段階法378人中、抗体価が基準値以上は麻疹38%(うち接種歴2回あり72%)、風疹55%(60%)、水痘82%(0.3%)、流行性耳下腺炎42%(1%)であった。1回ワクチン接種を行い、基準値以上になったのは麻疹35%、風疹77%、水痘84%、流行性耳下腺炎69%であり、そのうち接種歴2回未満の者に2回目接種を行った(のべ46人)。1段階法377人中、1回目接種者数は前年と同等で、2回目接種者はのべ37人に減少した。最終抗体獲得率は麻疹59%、風疹94%、水痘98%、流行性耳下腺炎90%であった。ワクチン接種後に有意な抗体増加を認めた割合は、麻疹において低かった。1段階法は業務の負担が軽減され、最終抗体獲得率も麻疹以外では良好であった。麻疹はワクチン接種を行っても基準値以上の抗体価に達する割合は低く、現在でも流行が散発する麻疹の感染者の抗体価も踏まえてさらに検討する必要がある。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 1341-4313
- eISSN : 2432-9460
- 医中誌Web ID : 2020051489