2019年4月 - 2022年3月
有歪み情報源符号化における実用的符号設計のための歪み球を用いた理論限界の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究では、もとのデータと復元後のデータの間の違い(歪み)を許容した情報源符号化問題を扱う。歪みが一定値以内であるような要素の集合(歪み球)という概念を用いた理論アプローチを発展させることで、実用的符号設計の指針となる理論限界を明らかにすることが大きな目標である。この研究目標に対する2020年度の研究実績は以下の通りである。
1)歪みを許容した情報源符号化において、二つの種類の歪み球を定義することができる。歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとで、平均符号語長の最小値の理論限界は、従来これらの歪み球に基づいた情報量を用いることで特徴付けられていた。しかしながら、これら二つの歪み球に基づいた情報量の間の関係式は知られていなかった。本研究では、これらの情報量の間の関係式を明らかにし、得られた成果を国際学会(2020 International Symposium on Information Theory and Its Applications)にて発表した。
2)歪みを許容した情報源符号化において、符号語長のキュムラント母関数という評価基準が知られている。これは、平均符号語長や最大符号語長を一般化した概念である。以前、歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとでの符号語長のキュムラント母関数の最小値を導出する結果を得ていたが、この証明の中に誤りがあることが判明した。そこで、本年度は、その誤りを修正したうえで、論文誌に投稿した。
1)歪みを許容した情報源符号化において、二つの種類の歪み球を定義することができる。歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとで、平均符号語長の最小値の理論限界は、従来これらの歪み球に基づいた情報量を用いることで特徴付けられていた。しかしながら、これら二つの歪み球に基づいた情報量の間の関係式は知られていなかった。本研究では、これらの情報量の間の関係式を明らかにし、得られた成果を国際学会(2020 International Symposium on Information Theory and Its Applications)にて発表した。
2)歪みを許容した情報源符号化において、符号語長のキュムラント母関数という評価基準が知られている。これは、平均符号語長や最大符号語長を一般化した概念である。以前、歪みを超過する確率を一定値以下にしたもとでの符号語長のキュムラント母関数の最小値を導出する結果を得ていたが、この証明の中に誤りがあることが判明した。そこで、本年度は、その誤りを修正したうえで、論文誌に投稿した。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K14989