共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

マルチリンガル署名照合を実現する組み合わせ分割照合およびその実用的学習方法

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K11373
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

署名照合は国際的に広く受け入れられている本人確認手法である.署名照合の自動化には(1)照合精度の向上,(2)実利用性の向上,(3)言語多様性の向上の課題が残されている.本研究は,(1)様々な言語の署名を統一的に自動で照合できる「マルチリンガル署名照合」の実現,(2)申請者らが開発した「組み合わせ分割照合法」の高度化,および効果的かつ実用的な識別器学習方法の確立,(3)高品質な日本語署名を含む署名照合評価用データセットの構築と,本データセットの国内外学術界への公開および提供,について研究を行い,有用かつ実用的な自動署名照合手法の確立を目指す.
本年度は,(1)新たなベンチマーキングデータセットを対象にしたランキング学習による署名照合の性能評価,(2)オフライン署名照合へのMicro-deformation特徴の導入検討を行った.これらの取り組みにより,真筆クラスと偽筆クラスとが不均衡になりやすい署名照合手法の学習を高精度化・効率化できる可能性が示唆されている.
(1)新たなベンチマーキングデータセットを対象にしたランキング学習による署名照合の性能評価では,近年発表された10万筆以上の大規模なデータセットを利用して性能評価を行ない,ランキング学習により照合性能が向上することが示された.
(2)これまでの取り組みでは深層学習による署名からの特徴抽出の導入は行ってこなかった.本年度の研究では,特徴抽出部分に深層学習による新しい特徴抽出手法であるMicro-deformation特徴を導入して,さらに高精度な照合を実現した.
本研究に関して,2件の査読付き国際会議発表を行い,国際論文誌に1報の論文を投稿中である.

ID情報
  • 課題番号 : 18K11373