共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

精神障害やアディクションのある養育者とその子どもの支援に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K04193
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

親の精神障害やアディクションが養育や子どもに与える影響を調べるために、児童相談所の虐待事例の研究(研究1)と精神医療やアディクション相談機関の事例の研究(研究2)を施行し、それをもとに精神障害のある親の支援ツールの開発(研究3)の準備に取り掛かった。
研究1では、全国の児童相談所に平成25年の4から5月に通告された虐待虐待事例のうち主たる虐待者が父や母である事例で十分な情報が得られた7,418人を対象として、そのうち主たる虐待者に精神疾患を有していた事例を「精神疾患あり群」としそれ以外の「精神障害なし群」の違いを分析した。精神障害あり群に入ることに関連する要因を多重ロジスティック回帰分析で調べたところ、虐待者の年齢、虐待者が母親であること、虐待種が心理的虐待であること、ひとり親家庭、孤立、劣悪な住環境、経済的な困難等が有意に関連していた。また、親の精神障害の有無と子どもの症状の関係を調べたところ、精神疾患があることと関係して、多くの子どもの精神症状・問題行動の発生率が高いことが確かめられた。
研究2は精神科外来やアディクションの相談機関で精神障害やアディクションの治療に取り組みながら子育てを行った経験について質問紙調査を行ったものをまとめた。その結果、精神症状やアディクションやそれに伴う生活上の困難が養育を難しくしており子どもに関わることに自信が持てないにも関わらず子育ての支援サービスを受けられていない場合が多く、心身のの状態が不安定で支援希求行動をとる事態ことが難しい実態が確かめられた。
研究3の準備としては、研究1,2をもとにして、精神障害を持ちながら子育て問題に苦労している養育者に対する支援ツール(精神障害が子育てに与える影響やそうした状況に対応する方法について情報提供しながら、必要な支援について話し合うことを助ける資料とその使用法の手引き)の叩き台を作成した。

ID情報
  • 課題番号 : 17K04193

この研究課題の成果一覧

論文

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