2020年4月 - 2023年3月
看護・介護現場の接触場面における方言使用実態の調査と方言学習用アプリ教材の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2021年度は2020年度の調査を踏まえ二つの質的調査を実施した。調査対象は前年度同様、外国人技能実習生を受け入れている介護老人保健施設に勤務する外国人介護職員と、日本人職員である。
調査の一つ目は日本人スタッフを対象に前年度実施したオンラインアンケート調査「看護・介護の場面でのコミュニケーションに関する意識」の結果を提示し,その要因等について自由記述の形式で答えてもらった。このデータを「同じ職場で働く外国人介護職員の日本語理解についての評価とその要因」という観点のもと分析を進めた。分析の結果、日本人スタッフは、「外国人介護職員が日本語理解の点で日常会話、漢字、専門用語、方言について困難を抱えている」と認識していることがわかった。
二つ目の調査は外国人(ベトナム人)介護職員を対象に前年度行ったベトナム語版アンケート調査(全32項目)の結果を踏まえ、その回答内容やその背景について詳細に聞ききとる半構造化インタビューを行った。インタビューの内容を逐語録にまとめ、SCAT を使用して質的分析を行った。分析の結果,日本語でのコミュニケーションで難しさを感じるのは,業務関連の場面では服薬の説明、入浴を拒否する利用者への働きかけなど「専門用語・知識」を用いた説明、要求・要望の聴き取り、日常生活場面では「方言」を用いた雑談という,具体的な困難場面が明らかになった。今年度の調査、分析の結果は2022年度日本語教育学会春季大会口頭発表に応募し、採択された。
また、教材作成に向けた実質的な作業も進めた。「聞き取り教材」に収録する項目の選定、スクリプトの作成を行い、アプリ開発担当者とアプリの設計について基本的な構造を決定した。この後、録音、アプリ開発を進める予定である。
調査の一つ目は日本人スタッフを対象に前年度実施したオンラインアンケート調査「看護・介護の場面でのコミュニケーションに関する意識」の結果を提示し,その要因等について自由記述の形式で答えてもらった。このデータを「同じ職場で働く外国人介護職員の日本語理解についての評価とその要因」という観点のもと分析を進めた。分析の結果、日本人スタッフは、「外国人介護職員が日本語理解の点で日常会話、漢字、専門用語、方言について困難を抱えている」と認識していることがわかった。
二つ目の調査は外国人(ベトナム人)介護職員を対象に前年度行ったベトナム語版アンケート調査(全32項目)の結果を踏まえ、その回答内容やその背景について詳細に聞ききとる半構造化インタビューを行った。インタビューの内容を逐語録にまとめ、SCAT を使用して質的分析を行った。分析の結果,日本語でのコミュニケーションで難しさを感じるのは,業務関連の場面では服薬の説明、入浴を拒否する利用者への働きかけなど「専門用語・知識」を用いた説明、要求・要望の聴き取り、日常生活場面では「方言」を用いた雑談という,具体的な困難場面が明らかになった。今年度の調査、分析の結果は2022年度日本語教育学会春季大会口頭発表に応募し、採択された。
また、教材作成に向けた実質的な作業も進めた。「聞き取り教材」に収録する項目の選定、スクリプトの作成を行い、アプリ開発担当者とアプリの設計について基本的な構造を決定した。この後、録音、アプリ開発を進める予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K00729
- 体系的課題番号 : JP20K00729
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
鹿児島大学総合教育機構紀要 5(5) 115-126 2022年3月 筆頭著者