MISC

2017年4月

「めまいと環境」 空間識とスポーツ医学

Equilibrium Research
  • 和田 佳郎

76
2
開始ページ
49
終了ページ
56
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本めまい平衡医学会

体操トップアスリートの空間識の評価には自覚的視性垂直位(SVV)法を発展させた頭部傾斜SVV法を用いた。頭部直立および左右傾斜条件でのSVVから頭部傾斜感覚を求め、頭部傾斜感覚ゲイン(HTPG)として評価した。A条件は暗所で頭部のみを傾斜させた条件、B条件は暗所で頭部を頭部固定装置、頸部をネックカラー、体幹部を5点式シートベルトで固定しながら身体全体を傾斜させた条件、C条件は暗所で頭部や身体は直立に保ちながら横方向の遠心加速度を負荷した条件とした。B条件、C条件において直立していると錯覚させる静止画を提示したB'条件、C'条件を設定した。コントロールとして体操経験のない一般健常人に対しても同じ条件下で実験を行った。一般健常人の暗所でのHTPGは、A条件ではやや過大、B条件ではやや過小、C条件では基準範囲を越えて明らかに過小であった。体操トップアスリートの暗所でのHTPGは、A条件、B条件、C条件で、一般健常人と比べて非常に正確であった。一般健常人のB条件とB'条件、C条件とC'条件でのHTPGを比べると両者の間に有意差を認めたが、体操トップアスリートではそれぞれほぼ同じであった。

ID情報
  • ISSN : 0385-5716
  • 医中誌Web ID : 2017258697

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