2012年4月 - 2015年3月
サイトカイン干渉シグナルに着目したチロシンキナーゼ阻害薬併用療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
- 配分額
-
- (総額)
- 3,600,000円
- (直接経費)
- 2,520,000円
- (間接経費)
- 1,080,000円
- 資金種別
- 競争的資金
研究概要(最新報告)
【概要】本研究の目的は、肝がん治療薬ソラフェニブ(チロシンキナーゼ阻害薬)の奏功率を、安全かつ効率に向上しえる併用療法の開発である。本課題の特徴は、①癌周囲の肝組織(慢性肝炎・肝硬変)が産生するサイトカインTGF-beta (transforming growth factor-beta)の干渉シグナルに着目し、②申請者らが予備的検討で見いだした、“p38 MAPK (mitogen-activated protein kinase)はソラフェニブの強力な阻害因子である”という発見を指標に、③既存の医薬品を用いた併用療法を確立する、という一連の構想の下、実験を行った。
【成果】① ソラフェニブ処理細胞を詳細に検討した結果、本剤は、低用量でオートファジーを誘導して、その結果、TGF-betaシグナル因子であるsmad2を活性化することが明らかになった。またこの現象を介して、低用量ソラフェニブ処理されたがん細胞が、転移能を獲得することも明らかになった。これらの結果は、本剤に難治性の症例では、逆にがん細胞の
【概要】本研究の目的は、肝がん治療薬ソラフェニブ(チロシンキナーゼ阻害薬)の奏功率を、安全かつ効率に向上しえる併用療法の開発である。本課題の特徴は、①癌周囲の肝組織(慢性肝炎・肝硬変)が産生するサイトカインTGF-beta (transforming growth factor-beta)の干渉シグナルに着目し、②申請者らが予備的検討で見いだした、“p38 MAPK (mitogen-activated protein kinase)はソラフェニブの強力な阻害因子である”という発見を指標に、③既存の医薬品を用いた併用療法を確立する、という一連の構想の下、実験を行った。
【成果】① ソラフェニブ処理細胞を詳細に検討した結果、本剤は、低用量でオートファジーを誘導して、その結果、TGF-betaシグナル因子であるsmad2を活性化することが明らかになった。またこの現象を介して、低用量ソラフェニブ処理されたがん細胞が、転移能を獲得することも明らかになった。これらの結果は、本剤に難治性の症例では、逆にがん細胞の