改良9Cr-1Mo鋼の時効効果による強度への影響
日本材料学会第53回高温強度シンポジウム
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- 開催年月日
- 2015年12月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 七尾
- 国・地域
- 日本
改良9Cr-1Mo鋼に対して600$^{\circ}$C大気中において、ラーソンミラーパラメータによる換算で550$^{\circ}$C $\times$10万, 20万および50万時間と等価となる時効ならびに、破断時間のおよそ10および20\%のクリープ損傷を与える550$^{\circ}$C$\times$20万および50万時間相当の予損傷を行った。各試料から試験片を切出し、引張、疲労およびクリープ試験を行った。引張特性は未時効材に比べて、時効および予損傷処理を行うことで低下した。同鋼の組織は時効処理および予損傷処理によってLaves相が増加し、その増加量と引張特性の低下には相関関係があった。疲労特性はひずみ範囲で整理した場合、未時効材, 時効材および予損傷材で明確な差がなかった。これは疲労軟化によって応答応力の差が小さくなるためと考えられる。クリープ特性は未時効材が最も長寿命であり、次いで時効材となり、予損傷材が最も短寿命となった。Monkman-Grantの関係式が受入材、熱時効処理材およびクリープ損傷処理材に拘わらず一直線に整理できたことから、時効処理によるクリープ寿命の変化はクリープ変形抵抗の低下が原因であると考えられる。