共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

センシング技術を利用した第二言語不安の測定方法の確立とリスニング不安研究への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K00776
体系的課題番号
JP21K00776
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

2021年度は、次年度の本調査の実施に向けて、予備調査とウエアラブル・モーションセンシングデバイスの測定の最適化を行った。具体的には、10名の英語学習者に参加を求め、様々な課題をこなしてもらうなか、センシングデバイスの複数の指標のうちどれが、L2不安の客観的測定に適しているかを、実験中の学習者の身体的負担がより少なくなるよう配慮しながら検討した。同時に、本調査で実施する予定の、学習不安を測定するための心理尺度の検討も進め、複数の質問紙を使った試行を実施した。これらの予備的調査の結果、測定指標の絞り込みに一定の成功を見たほか、デバイスによるリアルタイムの測定と心理尺度による定点測定の間に見られる乖離についても理解を深めることができた。また、より現実的な場面での測定を可能にすべく、1人でリスニング等の英語学習課題をこなす時だけではなく、対面形式(ペア)で課題をこなす場合の不安測定についても検討を加え、対面時での指標の変化の特性について理解を深めた。さらに、センシングデバイスによる測定の併存的妥当性を検証するために、ほかの類似のデバイスによる測定も、一部の参加で実施し、本調査で利用する予定のモーションセンシングデバイスの問題点を吟味し、測定精度向上の糸口をつかんだ。以上の成果の一部は、「柔軟な圧電センサを用いた心理状態測定システム」と題して学会発表を行った。なお、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の状況下にあったため、対面実験については一部指標の測定に制約が生じた。この制約の影響は未知数のため、さらなる検証が必要と考えられる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K00776
ID情報
  • 課題番号 : 21K00776
  • 体系的課題番号 : JP21K00776