2020年4月 - 2023年3月
新しい原理による安全かつ有効な、がんの選択的超音波造影法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
がんに対する選択的超音波造影法を探すため、EPR(増強されたがん間質への透過及び保持)効果の利用を睨んで、多種多様なナノサイズの相変化液滴(PCD)を用いたin vitro及び動物実験が行われてきた。しかし、臨床応用が安全かつ有効な方法は未だに見つけられていない。EPR効果を実現するためのPCDサイズは5~200nmであるが、申請者が推定した有効かつ安全な超音波造影を実現するためのPCDサイズは>300nmである。申請者は、がんの血流及び血管網が特殊で、PCDの相変化で生じたマイクロバブル(MB)を長く保持する作用(EVR効果)があるという、EPR効果と異なる新しい原理を提言し、新しい選択的超音波造影法を開発しようと考えている。新原理を利用した造影法でのPCDのサイズ選定において、ある程度大きいPCDのほうが相変化しやすく、その相変化で生じたMBもサイズが大きいから異常な腫瘍血管網の中に保持されやすいため、より安全かつ有効な、がんの選択的超音波造影法が実現されやすい。
今までのがんの標的造影法は、主にEPR効果を狙ってきたが、それは、主に腫瘍の微小血管外の間質への薬の透過及び保持能力の増強であるが、申請者は、腫瘍の微小血管自身の薬の保持能力の増強効果を利用する。
2020年度は、延長になってしまった別の課題の完成に大量の時間が掛かったため、本研究の起動が大変遅れてしまって、多種サイズのPCDの前駆体MBの作成の準備だけを実施した。
今後は、まずEVR効果を利用する、安全な診断用超音波でも相変化が可能な、多種サイズのPCDの作成に取り組み、それと同時にPCDの血液中の相変化閾値のin vitro研究用モデルの作製も進む。
今までのがんの標的造影法は、主にEPR効果を狙ってきたが、それは、主に腫瘍の微小血管外の間質への薬の透過及び保持能力の増強であるが、申請者は、腫瘍の微小血管自身の薬の保持能力の増強効果を利用する。
2020年度は、延長になってしまった別の課題の完成に大量の時間が掛かったため、本研究の起動が大変遅れてしまって、多種サイズのPCDの前駆体MBの作成の準備だけを実施した。
今後は、まずEVR効果を利用する、安全な診断用超音波でも相変化が可能な、多種サイズのPCDの作成に取り組み、それと同時にPCDの血液中の相変化閾値のin vitro研究用モデルの作製も進む。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12630
- 体系的課題番号 : JP20K12630