2017年4月 - 2020年3月
流況・土砂管理を組み合わせたダム下流の自然再生事業の生態学的評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
平成29年度にトリニティ川で調査した「河川管理(流況・土砂供給)」,「生息場構造」「生物多様性 」「水質浄化機能」の4要素間の関係を分析するとともに、天竜川と木津川を中心とした国内河川で同様の調査を行って比較分析を行った。平成30年度は、平成29年度に実施した、課題1の河川管理の違いが生息場構造や河床状態に及ぼす影響の解明、および、課題2の河川管理の結果形成された生息場構造が生物多様性(魚類・底生動物)に及ぼす影響に加えて、課題3の砂州フィルタリングによる水質浄化機能に及ぼす影響について取り組んだ。
課題1に関しては,ルイストンダム下流区間ならびに天竜川船明ダム下流区間の調査結果をもとに,面積比,頻度比,生息場多様度等の生息場構造指標を評価し,「流量変動や土砂供給量が中程度の状況下で生息場構造の多様性や河床間隙が最も高まる」という仮説を検証した。
課題2では,生息場ごとに底生動物と魚類の種多様性,種構成,個体数,エネルギー寄与率等の生態学的指標を評価するために ,課題1で明らかにされた生息場構造指標,砂州形状特性値や河床材料に関するデータとの定量関係を回帰分析で導き,流況や 土砂管理による生息場の改善が生態学的指標の変化に繋がっているのかを定量的に検証した。
課題3では,生息場構造の水質浄化機能を評価するために, 平成29年度に行った調査結果をもとに,濁度,懸濁成分量(SS, 強熱減量),粒状有機物の安定同位体比,溶存酸素や栄養塩等の水質項目について,砂州内流下方向の変化を評価するとともに ,河床内に生息する微生物群集の種組成について,次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析で種を同定した。そして,砂州リフレッシュによる微生物群集組成の更新と共に,生物学的な水質浄化機能の改善に繋がっている分類群等を特定し,砂州形状や河床間隙率の違いが水質浄化機能に及ぼす影響を明らかにした。
課題1に関しては,ルイストンダム下流区間ならびに天竜川船明ダム下流区間の調査結果をもとに,面積比,頻度比,生息場多様度等の生息場構造指標を評価し,「流量変動や土砂供給量が中程度の状況下で生息場構造の多様性や河床間隙が最も高まる」という仮説を検証した。
課題2では,生息場ごとに底生動物と魚類の種多様性,種構成,個体数,エネルギー寄与率等の生態学的指標を評価するために ,課題1で明らかにされた生息場構造指標,砂州形状特性値や河床材料に関するデータとの定量関係を回帰分析で導き,流況や 土砂管理による生息場の改善が生態学的指標の変化に繋がっているのかを定量的に検証した。
課題3では,生息場構造の水質浄化機能を評価するために, 平成29年度に行った調査結果をもとに,濁度,懸濁成分量(SS, 強熱減量),粒状有機物の安定同位体比,溶存酸素や栄養塩等の水質項目について,砂州内流下方向の変化を評価するとともに ,河床内に生息する微生物群集の種組成について,次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析で種を同定した。そして,砂州リフレッシュによる微生物群集組成の更新と共に,生物学的な水質浄化機能の改善に繋がっている分類群等を特定し,砂州形状や河床間隙率の違いが水質浄化機能に及ぼす影響を明らかにした。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17H01666
- 体系的課題番号 : JP17H01666