2015年4月 - 2018年3月
水循環システムに起因する水系感染症ウイルスの環境適応進化メカニズムの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
本研究では、ヒトノロウイルスの代替としてマウスノロウイルス、ヒトロタウイルスとしてサルロタウイルスを用い、遊離塩素への繰返し曝露がもたらすウイルス集団の適応進化に関する研究を行った。その結果、両方のウイルスに関し、遊離塩素への繰返し曝露により遊離塩素耐性集団を得ることに成功した。マウスノロウイルスに関しては外殻タンパク質遺伝子配列、サルロタウイルスに関しては全ゲノム配列の解析を行ったところ、遊離塩素への繰返し曝露により、ある特定の形質を有する株の優占が生じることが明らかとなった。以上の結果から、水処理によく用いられる遊離塩素処理が、胃腸炎ウイルスへの淘汰圧として働いていることが示された。
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- 課題番号 : 15H02272
- 体系的課題番号 : JP15H02272