2021年3月
よりよく生きるプロセスに関する研究 ~C型慢性肝炎由来の肝細胞がん患者へのインタビューより~
伝統医療看護連携研究
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- 巻
- 2
- 号
- 2
- 開始ページ
- 74
- 終了ページ
- 84
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本伝統医療看護連携学会
C型慢性肝炎由来の肝細胞がん患者は,慢性肝炎の後にがんを発症し,がん発症後も再発しやすいが,治療に取り組み前向きに生きている方もいる.そこで,その方々のよりよく生きるプロセスを明らかにし,看護への示唆を得ることを目的とした.C型慢性肝炎由来の肝細胞がん患者12名に面接を実施し,修正版グランデッド・セオリー・アプローチで分析した.その結果,対象者がよりよく生きるプロセスは,がんとなり再発し命と向き合う【肝細胞がんと対峙した生の揺らぎを生きる】ことから,【肝細胞がんと共に生きる】ことへの転換を経て,【肝細胞がんを超えて生きる】ことへ移行するプロセスであった.このプロセスを【肝細胞がんと生きる推進力】が後押ししていた.患者の語りを聴き,肯定的にフィードバックし,自らで方向性を見出せるよう関わること,また,肝細胞がん発症以前のC型慢性肝炎時から介入し,がん化を予防する看護支援の重要性が示唆された.