2007年11月16日
MF膜ろ過における物理的に不可逆的な膜ファウリングの前凝集処理による抑制
環境工学研究論文集
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 44
- 号
- 開始ページ
- 135
- 終了ページ
- 141
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11532/proes1992.44.135
- 出版者・発行元
- Japan Society of Civil Engineers
本実験では、実水道原水を原水とした長期連続MF膜ろ過実験を行い、凝集の有無が不可逆的な膜ファウリングの進行に及ぼす影響について検討するとともに、凝集による不可逆的なファウリングの抑制機構について考察した。本実験で設定した凝集条件 (pH7、5mg-Al/L) では、不可逆的なファウリングが効果的に抑制された一方で、可逆的なファウリングの進行が顕著になった。閉塞した膜から抽出したファウリングの原因物質を分析した結果、鉄に起因する不可逆的なファウリングの進行が凝集により抑制された一方で、親水性成分である多糖類様成分に起因する不可逆的なファウリングは凝集を行ってもほとんど抑制出来なかったことが明らかになった。本実験で使用した原水中には膜細孔径近辺の粒径を有する鉄が多く含まれていた。凝集を行わなかった場合には、この膜細孔径近辺の粒径を有する鉄が不可逆的な膜ファウリングの進行に大きく寄与したことが考えられる。凝集処理はこれらの鉄を極めて効率的に粗大化させることで、不可逆的な膜ファウリングの進行を抑制したことが推測された。本実験で得られた結果から、不可逆的な膜ファウリングの抑制を目的として凝集を行う際には、膜細孔径近辺の粒径を有する成分に着目し、これらの成分を効率的に粗大化する条件に設定する必要があることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11532/proes1992.44.135
- ISSN : 1341-5115
- J-Global ID : 200902290011850138
- CiNii Articles ID : 130003775878