2020年10月 - 2024年3月
革新的微生物モニタリング技術の開発と適用:アジアの水系感染症根絶への挑戦
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
本年度は開発済みの蛍光プローブを用いて、時間的にも空間的にも網羅的に河川水中の大腸菌濃度を測定した。札幌市の創成川の北10条(S1)、北12条(S2)、北14条(S3)、北23条(S4)、北30条(S5)、北49条(S6)の橋から河川水をサンプリングした。創成川水再生プラザからの放流水が流入する地点のすぐ下流に位置するS6においてのみ、大腸菌数が高いことが明らかとなった。公定法で求めた大腸菌数が、本研究室で開発した方法で求めた酵素活性と、大腸菌数が1000 cfu/L以上であれば相関があることがわかった。創成川流下方向の大腸菌数の変化を河川の水位と札幌市の降雨強度と比較した。2月の3回のサンプリングにおいて、創成川水再生プラザの上流(S1からS5)では、大腸菌数は2月16日や22日に高く、2月2日に最も低かった。2月2日は、前日の22時にのみ雨が降っており水位は高くない。このため、ノンポイントソースまたはCSOがなく、処理場上流で大腸菌数が低かったと考えられた。一方、2月16日は、前日から雨が降っており、サンプリング時の水位が高かった。このため、ノンポイントソースまたはCSOにより、処理場上流で大腸菌数が高くなったと考えられた。
核酸を検出する技術を開発した。本技術では病原体の核酸と特異的に結合する2種類のDNAを金ナノ粒子で修飾したDNAプローブを使う。サンプルから抽出したターゲットとDNAプローブを混合する。2つのDNAプローブがターゲットにハイブリダイズする。ターゲットはナノサイズなので2つの金ナノ粒子が互いに近接することになる。金ナノ粒子は近接すると散乱光強度が増強するので、ターゲットの濃度が高いサンプルほど散乱光強度が大きくなり、ターゲット濃度を分析できる。本年度は大腸菌O157の濃度を検出限界10^6 copies/μLで測定できた。
核酸を検出する技術を開発した。本技術では病原体の核酸と特異的に結合する2種類のDNAを金ナノ粒子で修飾したDNAプローブを使う。サンプルから抽出したターゲットとDNAプローブを混合する。2つのDNAプローブがターゲットにハイブリダイズする。ターゲットはナノサイズなので2つの金ナノ粒子が互いに近接することになる。金ナノ粒子は近接すると散乱光強度が増強するので、ターゲットの濃度が高いサンプルほど散乱光強度が大きくなり、ターゲット濃度を分析できる。本年度は大腸菌O157の濃度を検出限界10^6 copies/μLで測定できた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20KK0090
- 体系的課題番号 : JP20KK0090
この研究課題の成果一覧
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論文
4-
Biosensors and Bioelectronics: X 12 100249-100249 2022年12月
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Water Supply 22(10) 7635-7642 2022年9月17日 査読有り
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ACS EST Water 2(8) 1301-1308 2022年6月27日 査読有り筆頭著者責任著者
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Water Supply 22(5) 5524-5534 2022年3月24日 査読有り