2007年8月
重水減速材付$^{252}$Cf中性子線源を用いる中性子標準場の特性の評価
Radiation Protection Dosimetry
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- 巻
- 126
- 号
- 1-4
- 開始ページ
- 138
- 終了ページ
- 144
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1093/rpd/ncm030
一般的に利用される中性子用の個人線量計は、$\gamma$線用の線量計と比較してエネルギー応答特性が悪い。そのため中性子線量計は、線量に関して適切な校正がなされないと、作業環境で使用した場合、真の線量に対して大きく異なる値を指示する場合がある。この差異を小さくするには、実際の作業環境場の中性子スペクトルに近い中性子校正場で中性子線量計を校正するのが有効である。放射線標準施設棟では種々の中性子線量計に対して実際の作業環境場に近い中性子スペクトルによって得られる校正定数を提供する目的で、$^{252}$Cf中性子線源を重水で満たされたステンレス球(30cm$\phi$)の中心に配置して得られる中性子校正場(以下「重水減速場」という)を整備した。本研究では重水減速場の重要な特性(ステンレス球表面から校正点に直接到達する一次線の中性子フルエンス率,中性子エネルギースペクトル,線量換算係数,線量当量率、及び散乱成分の照射距離に対する変化)を計算シミュレーションと多減速材付中性子スペクトロメータによる実測により評価した。一連の計算シミュレーションと実験で、中性子フルエンス率とスペクトルを実測する際の室内散乱成分の補正手法の有効性について議論した。加えて個人線量計のための校正場として利用する場合の、最適な照射距離についての評価も行った。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1093/rpd/ncm030
- ISSN : 0144-8420