2017年4月 - 2020年3月
子育て中の女性看護師のメンタルヘルス:バーンアウト因果モデルの作成と検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 17K12175
- 体系的課題番号
- JP17K12175
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 3,510,000円
- (直接経費)
- 2,700,000円
- (間接経費)
- 810,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は、子育て中の女性看護師のバーンアウトに影響を与える要因を、子育て時期ごとに明らかにし、予防対策の具現化に役立てることを目的としたものである。
神奈川県内の市立病院に勤務する看護師3,758名を対象に質問紙調査を実施した。回収数は2,624名(回収率69.8%)であった。このうち、女性看護師の有効回答2,047名を、子育て時期別に6つのグループ(①子どものいない者1,115名、②3歳未満の子どもを持つ者152名、③3歳~就学前の子どもを持つ者176名、④小学生の子どもを持つ者237名、⑤中学生の子どもを持つ者73名、⑥高校生以上の子どもを持つ者294名)に分類し、それぞれのバーンアウト因果モデルを作成した。共分散構造分析にて適合度を検証し、適合度が採択基準を満たしたモデルにて影響要因を明らかにした。
女性看護師のバーンアウト因果モデルは、子どものいない者(①)、中学生以下の子どもを持つ者(②③④⑤)、高校生以上の子どもを持つ者(⑥)の3通りとなり、いずれも採択基準を満たす適合度を示した。対象者(①~⑥)すべてにおいて、イライラ感、自身の健康問題、職場への満足感が、バーンアウトに影響を及ぼす要因であった。超過勤務時間の長さは、小学生以下の子どもを持つ者(②③④)ではバーンアウトの増強に影響していたが、それ以外の者(①⑤⑥)では影響していなかった。さらに、子育てを困難に思う気持ちは、バーンアウトには影響していなかったが、小学生以下の子どもを持つ者では、イライラ感の増強と職場への満足感の低下に影響していた。
女性看護師のバーンアウトに影響する要因は、子育て時期によって異なっていることが明らかになった。それぞれの時期にあわせたサポートが、バーンアウトの予防や低減には有効である。今後本結果より、具体的な予防対策やサポート内容を検討し発信していく。
神奈川県内の市立病院に勤務する看護師3,758名を対象に質問紙調査を実施した。回収数は2,624名(回収率69.8%)であった。このうち、女性看護師の有効回答2,047名を、子育て時期別に6つのグループ(①子どものいない者1,115名、②3歳未満の子どもを持つ者152名、③3歳~就学前の子どもを持つ者176名、④小学生の子どもを持つ者237名、⑤中学生の子どもを持つ者73名、⑥高校生以上の子どもを持つ者294名)に分類し、それぞれのバーンアウト因果モデルを作成した。共分散構造分析にて適合度を検証し、適合度が採択基準を満たしたモデルにて影響要因を明らかにした。
女性看護師のバーンアウト因果モデルは、子どものいない者(①)、中学生以下の子どもを持つ者(②③④⑤)、高校生以上の子どもを持つ者(⑥)の3通りとなり、いずれも採択基準を満たす適合度を示した。対象者(①~⑥)すべてにおいて、イライラ感、自身の健康問題、職場への満足感が、バーンアウトに影響を及ぼす要因であった。超過勤務時間の長さは、小学生以下の子どもを持つ者(②③④)ではバーンアウトの増強に影響していたが、それ以外の者(①⑤⑥)では影響していなかった。さらに、子育てを困難に思う気持ちは、バーンアウトには影響していなかったが、小学生以下の子どもを持つ者では、イライラ感の増強と職場への満足感の低下に影響していた。
女性看護師のバーンアウトに影響する要因は、子育て時期によって異なっていることが明らかになった。それぞれの時期にあわせたサポートが、バーンアウトの予防や低減には有効である。今後本結果より、具体的な予防対策やサポート内容を検討し発信していく。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K12175
- 体系的課題番号 : JP17K12175